枕草子を現代語訳したり考えたりしてみる

清少納言の枕草子を読んでいます。自分なりに現代語訳したり、解説したり、感想を書いています。専門家ではないので間違っていたらすみません。ご指摘・ご教授いただけると幸いです。私自身が読む、という前提ですので、初心者向けであって、何よりもわかりやすい、ということを意識しているのですがいかがでしょうか。最初から読みたい!という奇特な方は「(PC版)リンク」から移動してください。また、検索窓に各段の冒頭部分や文中のワードを入れて検索していただくと、任意の段をご覧いただけると思います(たぶん)。

おほきにてよきもの

大きいのがいいもの。家。餌袋。法師。くだもの。牛。松の木。硯の墨。 男子の目の細いのは女性っぽいわ。とはいっても、鋺(かなまり)みたいなのも恐ろしいわね。火桶。ほおずき。山吹の花。桜の花びら。 ----------訳者の戯言--------- 家ですか、やはり…

月のいと明かきに

月がすごく明るい夜、川を渡ったら、牛が歩くのにつれて、水晶なんかが割れたみたいに水が散っていくのはおもしろいわね。 ----------訳者の戯言--------- 月の明るい夜、牛車で浅い川を渡っているのでしょうか。そういえば「月の輝く夜に」って映画ありまし…

よくたきしめたる薫物の

よく焚きしめた薫物(たきもの)が、昨日か、一昨日なのか今日なのかなんて忘れちゃったけど、取り上げたら、煙の香が残ってるのは、たった今焚きしめた香りよりすばらしいわ。 ----------訳者の戯言--------- 薫物というのは、種々の香を調合して作った練香…

五月の菖蒲の

五月の節句の菖蒲が、秋冬が過ぎるまで残ってるの、すごく白くなって枯れて変になっちゃってるんだけど、引き折って取り上げたら、あの時の香りが残ってて漂うの。すごくいい感じなのよね。 ----------訳者の戯言--------- かかふは、「抱かふ」と書き、抱き…

清水などに参りて

清水寺なんかにお参りして、坂の下のほうから上っていくあたりで、柴を焚く香りが、すごくしみじみとしてて、それがいい感じなの。 ----------訳者の戯言--------- 坂もと。今は京都市中京区に坂本町がありますが、どうやら違うようで。坂本町は現在の京都御…

九月二十日あまりのほど

9月20日過ぎの頃、初瀬(の長谷寺)にお参りをして、とても小さな家に泊まったんだけど、すごく疲れてたから、ただただ眠り込んじゃってたの。 夜が更けて、月明かりが窓から漏れてたから、人がみんなが横になってるんだけど、衣の上に白く映ったりなんかし…

八月つごもり

八月の末、太秦(広隆寺)にお参りするってときに、見たら、穂が出てきた田を、人がすごく大勢で見て騒いでるの。稲刈りをしてたのね。 「早苗取りしかいつのまに(早苗を取って植えたけど、いつの間に~)」ってホント、この前、賀茂神社へ参詣しようって(…

賀茂へまゐる道に

賀茂神社への参道で、田植をするってことで、女たちが新しい折敷(おしき)のようなものを笠にして被って、すごく大勢で立って歌を歌ってるの。身体を折って伏せるようにして、また何をしてるのかも見えないまま、後方に下がってくのよね。どうしたんでしょ…

五月四日の夕つ方

五月四日の夕方、青い草をいっぱい、すごくキレイに切りそろえて、左右の肩にかついで、赤衣(あかぎぬ)を着た男が歩いて行くのって、いい感じだわ。 ----------訳者の戯言--------- 端午の節句(五月五日)の前日の夕方ですから、節句、節会の準備なんでし…

いみじう暑きころ

めちゃくちゃ暑い時季、夕涼み!っていう時間帯には物の様子なんかもはっきりわからないんだけど、男車が先払いをするのは言うまでもなく、フツーの人でも後ろの簾(すだれ)を上げて、二人でも一人でも乗って走らせて行くのは涼しそうだわ。ましてや琵琶を…

五月ばかりなどに山里にありく

五月の頃なんかに山里を歩くのはすごくおもしろいの。草の葉も水もすごく青く、あたり一面に見えてて、上の方はさりげなく草が生い茂ってる、長く続いてる道をまっすぐに行ったら、下は何とも言えない水が、深くはないんだけど、お供の人が歩いて行ったら水…

祭のかへさ、いとをかし③ ~わたり果てぬる~

斎院へのお帰りの一行が通り過ぎた後すぐは気持ちも乱れちゃって、我も我もと、危なくって怖ろしいくらい先に行こうって急いでるの、それを(お供の者たちは)「そんなに急がないで」って扇を差し出してガードするんだけど、聞き入れないもんだから、どうし…

祭のかへさ、いとをかし② ~いつしかと待つに~

いつなんだろう?って待ってたら、御社の方から赤衣(あかぎぬ)を着た者たちが連れ立ってやって来たから、「どうなってるの? 準備はOKなの?」って言ったら、「まだっすよ、いつのことだかなぁ」なんて答えて、御輿なんかを持ってくの。斎王があの御輿にお…

祭のかへさ、いとをかし①

賀茂祭の(斎王の)お帰りの行列はすごくいい感じなの。昨日は全部が全部きちんとしてて、一条の大通りが広くてキレイにされてたんだけど、日差しが熱くて車に射し込んでくるのも眩しいから、扇で顔を覆って、座り直したりして、長時間待ってるんだけど辛く…

行幸にならぶものは何にかはあらむ

行幸に匹敵するものって何があるっていうワケ? 御輿にお乗りになるのを拝見したら、普段御前にお仕え申し上げてるとは思われず、神々しくて、気品があって、すごく素晴らしくて、いつもなら何とも思わないナントカ司や、姫もうちぎみでさえ、高貴で珍しい存…

賀茂の臨時の祭

賀茂の臨時の祭は、空が曇って寒そうでいて、雪が少し舞い散ってて、挿頭(かざし)の花や青摺りの衣なんかにかかってるのが、言葉では言い表せないくらい素敵なの。太刀の鞘(さや)がくっきりと黒くて、まだら模様で幅広に見えたんだけど、半臂(はんぴ)…

見るものは

見物すべきものは、臨時の祭。行幸。祭の帰さ。御賀茂詣で。 ----------訳者の戯言--------- 神社にはそれぞれの例祭ではなく、臨時に行なう祭があります。特に、毎年旧暦11月、下(しも)の酉(とり)の日に行なう賀茂神社の祭、陰暦3月の中の午(うま)の…

笛は

笛は、横笛がとてもいかしてるのよね。遠くから聴こえてるのが、徐々に近づいてくるのがいい感じ。近かったのが、離れてってごく微かに聴こえるのも、すごく雰囲気あるの。車に乗ってても、歩いてても、馬に乗ってても、いつも懐に差し入れて持ってたって、…

弾くものは

弾くものって言ったら、琵琶よね。その調弦は風香調(ふこうじょう)がいいわ。黄鐘調(おうしきじょう)。蘇合(そごう)の急。鶯(うぐいす)の囀(さえず)りっていう曲。 筝(そう)の琴は、すごく素晴らしいわ。筝曲は、想夫恋(そうふれん)がいいわね…

舞は

舞は、駿河舞(するがまい)。求子舞(もとめごまい)はすごくいい感じだわ。太刀を抜くようなところはヤだけど、すごくいかしてるの。唐土(もろこし=中国)で、敵と味方が一緒になって舞ったとかいう話を聞くとね。 鳥の舞もいいわ。抜頭(ばとう)は、髪…

あそびわざは

遊戯は、小弓。碁。見た目は悪いけど、蹴鞠(けまり)もおもしろいわね。 ----------訳者の戯言--------- 小弓(こゆみ)。射的あそびです。小さな弓矢で的に当てる室内ゲーム。今ならダーツですか。もしくはシューティングゲームですね。 碁。「つれづれな…

あそびは

遊びは夜ね。人の顔が見えない時間帯がいいわ。 ----------訳者の戯言--------- この時代には、概ね管弦などの音楽系の楽しみ、詩歌、舞などを、「遊び」といったようです。今のリア充系の方々の遊びですよね。ライブ感ありそうです。楽器ができる人はアドリ…

陀羅尼は

陀羅尼(だらに)を唱えるなら、暁がいい。お経を読むのは、夕暮れね。 ----------訳者の戯言--------- 陀羅尼(だらに)はサンスクリット語のダーラニーを漢字にしたもので、内容もサンスクリット語のものを漢字で音写したものだそうです。ダーラニーとは「…

物語は

物語は…。住吉物語。うつほ(宇津保)物語、特に「殿移り」のところね、でも「国譲り」は憎ったらしいわ。埋れ木。月待つ女。梅壷の大将。道心すすむる。狛野(こまの)物語は、古い蝙蝠(かはほり=扇)を探し出して持って行ったのがおもしろいの。物羨みの…

ふみは

文は、白氏文集。文選(もんぜん)。新賦。史記。五帝本紀。願文(がんもん)。表。博士の書いた申文(もうしぶみ)。 ----------訳者の戯言--------- 「文集(もんじゅう)」というのは一般的に詩文集のことを指しますが、「白氏文集」を指すことが多いよう…

仏は

仏はっていうと。如意輪観音。千手観音。いや六観音全部ね。薬師如来。釈迦如来。弥勒菩薩。地蔵菩薩。文殊菩薩。不動尊(不動明王)。普賢菩薩。 ----------訳者の戯言--------- 如意輪観音ですね。「如意」とは意のままに智慧や財宝、福徳をもたらす如意宝…

経は

経は。 法華経は言うまでもないわ。普賢(ふげん)十願。千手経。随求(ずいぐ)経。金剛般若経。薬師経。仁王経の下巻。 ----------訳者の戯言--------- 法華経はさらなり。と清少納言も書いてるとおり、説明するまでもありません。超メジャーな経典ですね…

寺は

寺は…。壺坂寺。笠置寺。法輪寺。霊山寺は釈迦仏のお住いなんだから、しみじみいい感じなの。石山寺。粉河寺。志賀寺。 ----------訳者の戯言--------- 壺坂寺。今は壷阪寺と書くようです。奈良県高市郡高取町壷阪というところにあります。ご本尊は、十一面…

森は

森は…。うえ木の森。石田(いわた)の森。木枯の森。うたた寝の森。岩瀬の森。大荒木(おおあらき)の森。たれその森。くるべきの森。立聞(たちぎき)の森。 横竪(よこたて)の森っていうのが、耳に残ってるのが不思議だわ。森なんて言えるものでもなくっ…

浦は

浦は、大の浦。塩釜の浦。こりずまの浦。名高の浦。 ----------訳者の戯言--------- 「浦」って何ですか?と思って調べたところ、海や湖が陸地に入りこんだ所だとわかりました。つまりシンプルに言うと、「入り江」のことのようです。 大の浦の その長浜に …