2021-12-01から1ヶ月間の記事一覧
関白殿がお入りになって見上げなさったら、みんな裳、唐衣を御匣殿(みくしげどの)までもが着ていらっしゃるの。殿の奥方は裳の上に小袿(こうちき)だけ着ていらっしゃるわ。「絵に描いたようなお姿! もうお一人も、今日はみんな認めるいっぱしに仕上がっ…
女院の桟敷や所どころの桟敷をいろいろ見渡すと、その様子がすばらしいの。関白殿(道隆)は、定子さまのいらっしゃる御前から女院の座敷に参上なさって、少ししてから、ここにいらっしゃったのね。大納言の二人、三位の中将は陣に詰めてられる姿のままで、…
三尺の御几帳1セットを互い違いに立てて、こっちとの仕切りにして、その後ろに畳一枚を横長に縁を端にして、長押の上に敷いて、「中納言の君」っていうのは殿(道隆)の叔父様で右兵衛の長官でいらっしゃる藤原忠君っていう方のお嬢さま、「宰相の君」は富小…
参上したところ、初めに降りた女房がよく物が見えるだろう端っこに8人ほど座ってたわ。定子さまは一尺(約30cm)あまり、二尺ほどの長押の上にいらっしゃるの。「こちらに私が立ち隠して連れて参りました」って大納言殿が申し上げなさると、「どこに??」っ…