枕草子を現代語訳したり考えたりしてみる

清少納言の枕草子を読んでいます。自分なりに現代語訳したり、解説したり、感想を書いています。専門家ではないので間違っていたらすみません。ご指摘・ご教授いただけると幸いです。私自身が読む、という前提ですので、初心者向けであって、何よりもわかりやすい、ということを意識しているのですがいかがでしょうか。最初から読みたい!という奇特な方は「(PC版)リンク」から移動してください。また、検索窓に各段の冒頭部分や文中のワードを入れて検索していただくと、任意の段をご覧いただけると思います(たぶん)。

2021-01-01から1ヶ月間の記事一覧

身をかへて、天人などは

生まれ変わって天人になるなんていうのはこういうことなのかしら?って見えるものは、普通の女房としてお仕えしてる人が御乳母になった場合ね。唐衣(からぎぬ)も着ないで、裳(も)だって、オーバーに言うとしたら着けてないような格好で、御前で添い寝を…

一条の院をば今内裏とぞいふ② ~すけただは木工の允にてぞ~

藤原輔尹(すけただ)は木工寮の允(じょう=三等官)だった人で、蔵人になったの。すごく荒々しくって異様な感じだから、殿上人や女房が「あらはこそ」ってあだ名を付けてたの、それを歌にして、「比類なきお方だこと~、尾張の人の子孫なんだから~」って…

一条の院をば今内裏とぞいふ①

一条院を今内裏(いまだいり)って言うの。帝がいらっしゃる御殿は清涼殿で、その北にある御殿に定子さまはいらっしゃるのね。西と東には渡り廊下があって、帝はこの廊下をお渡りになって、定子さまから参上なさる通り道にもなり、前には中庭があるから植え…

蟻通の明神⑤ ~この中将をいみじき人におぼしめして~

この中将をすごく重要な人だってお思いになって、「何を褒美として取らせ、どんな官位を授けたらいいのだろうね?」って帝はおっしゃったんだけど、「これ以上の官も位もいただかなくていいです。ただ、年老いた父母が身を隠していなくなってるのを捜しあて…

蟻通の明神④ ~ほど久しくて~

そのあと、しばらく経ってから、小さい玉に七曲りに曲がりくねった穴が中を通って左右に貫通してるのを献上されて、「これに糸を通していただけますか、私たちの国ではみんなやってることです」って奏上したんだけど、「どんな熟達の者だってお手上げですよ…

蟻通の明神③ ~また二尺ばかりなる蛇の~

また、二尺(約60cm)くらいの長さの蛇で全く同じ長さのを「これはどっちが男でどっちが女なん?」って献上してきたの。またもやみんな見分けがつかないのね。そこで例の中将がまた親のところに来て尋ねたら、「二つを並べて、尻尾の方に細い小枝を近づけた…

蟻通の明神② ~唐土の帝~

中国の皇帝がこの国の帝を何とかして騙して日本を征服しようって、いつも試し事をして、争い事をしかけてきてはプレッシャーをかけてこられるんだけど、ツヤツヤしてて丸くってキレイに削った木の二尺(約60cm)ほどあるのを、「これの上っ側と最後尾『末』…

蟻通の明神①

蟻通(ありとおし)の明神は、紀貫之の馬が倒れた時、この明神が病気になさったのだって歌を詠んで奉納したっていうの、すごくいかしてるわよね。 じゃあこの蟻通っていう名前をつけたお話は、本当だったのかしら?? 昔いらっしゃった帝が、ただ若い人だけ…