枕草子を現代語訳したり考えたりしてみる

清少納言の枕草子を読んでいます。自分なりに現代語訳したり、解説したり、感想を書いています。専門家ではないので間違っていたらすみません。ご指摘・ご教授いただけると幸いです。私自身が読む、という前提ですので、初心者向けであって、何よりもわかりやすい、ということを意識しているのですがいかがでしょうか。最初から読みたい!という奇特な方は「(PC版)リンク」から移動してください。また、検索窓に各段の冒頭部分や文中のワードを入れて検索していただくと、任意の段をご覧いただけると思います(たぶん)。

蟻通の明神③ ~また二尺ばかりなる蛇の~

 また、二尺(約60cm)くらいの長さの蛇で全く同じ長さのを「これはどっちが男でどっちが女なん?」って献上してきたの。またもやみんな見分けがつかないのね。そこで例の中将がまた親のところに来て尋ねたら、「二つを並べて、尻尾の方に細い小枝を近づけた時、尻尾を動かしたほうが女(メス)だって知っておきなさい」って言ったの、すぐに内裏の中でそのとおりにしたら、本当に一匹のは動かず、もう一匹は動かしたもんだから、またそのとおり印を付けて返答を送ったの。


----------訳者の戯言---------

今度はヘビの雌雄を見分けろという問題です。ヘビの雌雄による身体的な相違は不明瞭であることが多く、なかなか見分けがつきません。

で、調べたところ現在、簡単にできるヘビの雌雄判別法には、プロービングとポッピングという二つ方法があるということがわかりました。
プロービングというのは、セックスプローブという細い棒を尻尾の付け根付近にある総排泄孔に差し込む方法です。オスには比較的深く入り、メスにはあまり入らないそうです。
ポッピングは総排泄孔の付近を押して、内部にある生殖器官を露出する方法です。オスには総排出腔の内部に「半陰茎(ヘミペニス)」と呼ばれる生殖器官がありますが、メスにはありません。

というわけで、この段にあるような雌雄判別の方法は見つけられなかったですね。つまり、科学的根拠はありません。たまたま、ですよ、それ。ということです。お母さんお父さん。

それにしても中国の皇帝も何を根拠にオスメスを決めてたのかってことですよ。まさかプロービングやポッピングを知っていたわけでもないでしょうし、レントゲン、MRIやCTがあるわけでもありません。結局誰が正解決めてるの? 主観?って話ですよ。
というわけで、中国の皇帝なんぼのもんじゃいと思いつつ、④に続きます。


【原文】

 また、二尺ばかりなる蛇(くちなは)の、ただ同じ長さなるを、「これはいづれか男女(をとこをんな)」とて奉れり。また、さらに人え見知らず。例の中将来て問へば、「二つを並べて、尾のかたに細きすばえをしてさし寄せむに、尾はたらかざらむを女(め)と知れ」といひける、やがて、それは内裏(だいり)のうちにてさ、しけるに、まことに一つは動かず、一つは動かしければ、またさるしるしをつけて、遣はしけり。

 

枕草子 いとめでたし!

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