枕草子を現代語訳したり考えたりしてみる

清少納言の枕草子を読んでいます。自分なりに現代語訳したり、解説したり、感想を書いています。専門家ではないので間違っていたらすみません。ご指摘・ご教授いただけると幸いです。私自身が読む、という前提ですので、初心者向けであって、何よりもわかりやすい、ということを意識しているのですがいかがでしょうか。最初から読みたい!という奇特な方は「(PC版)リンク」から移動してください。また、検索窓に各段の冒頭部分や文中のワードを入れて検索していただくと、任意の段をご覧いただけると思います(たぶん)。

2019-12-01から1ヶ月間の記事一覧

五月ばかり、月もなういと暗きに② ~まめごとなども言ひあはせてゐ給へるに~

真面目な話なんかも、私とお話しなさってたら、「植えてこの君と称す~」って吟じながらまた殿上人たちが集まってきたもんだから、彼(行成)、「殿上の間で話し合って予定してた本来の目的も果たさないで、どうしてお帰りになっちゃったのか、不思議だった…

五月ばかり、月もなういと暗きに①

五月頃、月もなくてとても暗い夜、「女房はいらっしゃいます?」って大勢の声で言ってたもので、定子さまが「出てって見て来て。いつもと違って、あんな大声で言ってるのは誰なのかしら?」っておっしゃるから、「その声は誰ですか? すごく大げさで目立ちま…

頭の弁の、職に参り給ひて② ~さて、逢坂の歌はへされて~

そのあと、逢坂の歌には圧倒されて、返歌もできないままになっちゃったの。かなりダメよね。「でさ、あの手紙は殿上人がみんな見ちゃったんだよね」っておっしゃるから、「ほんとに私のことを思ってくれてたんだって、それを聞いてよくわかりましたよ♪ 素晴…

頭の弁の、職に参り給ひて①

頭の弁(藤原行成)が、中宮職の庁舎に参上されて、私とお話しなんかなさってたんだけど、そのうち夜もすっかり更けてしまったの。「明日は御物忌だから、籠ってないといけないし、丑の刻にまでなったらまずいだろうなー」って、宮中に参内なさったのね。 早…

故殿の御ために② ~わざと呼びも出で~

わざわざ呼び出したりして、会う度に「何で私とマジで親密に語り合ってくださらないのかな? さすがに私を嫌いだと思ってるわけじゃない、ってことはわかってるんだけど、すごく疑問に思ってるんだ。こんなに何年も経ってる懇意の知人同士が、よそよそしいま…

故殿の御ために①

今は亡き道隆さまのために毎月10日、定子さまはお経や仏像などをご供養なさってたんだけど、9月10日には職の御曹司(中宮職の庁舎)でそれを行われたの。上達部や殿上人がとてもたくさんいてね。清範(せいはん)が講師で、そのお説法がまあ、すごく悲しい内…

などて、官得はじめたる六位の笏に

「どうして官位を得たばかりの六位の人の笏(しゃく)に、職の御曹司(中宮職の庁舎)の東南の隅の屋根付き土塀の板を使ったんでしょ?? それなら、西や東の板も使ったらいいのにー」なんてことを言いだして、「つまんないことをイロイロねー。着る物とかに…

頭の弁の御もとより

頭の弁(藤原行成)のところから、主殿司(とのもりづかさ)が絵みたいなものを、白い色紙に包んで、梅の花がきれいに咲いたのに付けて持って来たの。絵なんだろうかな?って急いで受け取って見たら、餅餤っていうものを2個並べて包んでたのね。添えられてた…

二月、官の司に

二月に太政官の庁舎で、定考(こうじょう)っていうことをするようなんだけど、どんなことなのかしら。孔子の肖像画なんかをお掛けしてお祀りするらしいんだけどね。聡明って言って、帝にも中宮さまにも、奇妙な形のものなんかを器に盛って差し上げるの。 --…

七日の日の若菜を

正月七日の日の若菜を、六日に人が持ってきて騒いで、取っ散らかしたりしてたら、見たこともない草を子どもが取ってきたのを、「これは何て言う草なの?」って聞いたら、すぐには答えないで、「さぁ??」なんて、お互いに顔を見合わせて、「耳無草(みみな…

九月ばかり、夜一夜降り明かしつる雨の

九月の頃、一晩中明け方まで降った雨が、今朝は止んで、朝日がすごく鮮やかに射しはじめたんだけど、庭の植え込みの露がこぼれるほどに濡れかかってるのがとっても素敵な感じ。透垣(すいがい)の羅文(らもん)や軒の上なんかに張り巡らした蜘蛛の巣が破れ…

関白殿、黒戸より出でさせ給ふとて② ~中納言の君の~

中納言の君が、誰かの命日っていうことで、神妙にお勤めをなさってたんだけど、「その数珠を、ちょっとの間、お貸しください。お勤めをして、(関白殿みたいに)立派な身の上になりたいものですから」って借りようとしたら、女房たちは集まって笑うんだけど…