枕草子を現代語訳したり考えたりしてみる

清少納言の枕草子を読んでいます。自分なりに現代語訳したり、解説したり、感想を書いています。専門家ではないので間違っていたらすみません。ご指摘・ご教授いただけると幸いです。私自身が読む、という前提ですので、初心者向けであって、何よりもわかりやすい、ということを意識しているのですがいかがでしょうか。最初から読みたい!という奇特な方は「(PC版)リンク」から移動してください。また、検索窓に各段の冒頭部分や文中のワードを入れて検索していただくと、任意の段をご覧いただけると思います(たぶん)。

2019-11-01から1ヶ月間の記事一覧

関白殿、黒戸より出でさせ給ふとて①

関白殿(藤原道隆)が黒戸よりご出発になるということで、女房が隙間なく侍っているのを、「ああ、素敵な女房たちだ、この老いぼれをどんなにか笑ってるだろうかね」って、かき分けて出てこられたから、戸口に近いところにいる女房たちが色々な袖口で御簾を…

八幡の行幸のかへらせ給ふに

帝が石清水八幡宮への行幸からお帰りになられる際に、女院の桟敷の向こうに御輿を停めてご挨拶なさったのなんか、とってもすばらしくて、そんな帝というお立場にもかかわらず、かしこまってご挨拶されるのが、かつてこの世では聞いたことないくらい素敵で、…

はしたなきもの

きまりが悪いもの。別の人を呼んだのに、私だわ…って思って出てった時。物なんかをいただく時だったらもっとバツが悪いわね。たまたま他人の噂話なんかしてdisってたのを、小さい子どもが聞いてて、当の本人がいるのにそれを話し出しちゃうのも。 悲しいこと…

修法は

加持祈祷は、奈良の系統がいいのよね。仏様の護身法なんかで明呪を唱え上げるのが、上品で尊いの。 ----------訳者の戯言--------- 「修法」というのは、密教の「加持祈祷」のことだそうです、簡単に言うと。単にお祈りするだけではなくて、結構複雑にいろい…

むとくなるもの

カッコ悪いものっていうと…。潮が引いた干潟に乗り上げてる大きな船。大きな木が風に吹かれて倒されて、根を上に向けて横倒れになってる様子。卑しい身分の者が従者を咎めてるのも。人妻がつまんない嫉妬なんかして、身を隠してたんだけど、彼が絶対に探し回…

はづかしきもの

こっちが恥ずかしくなっちゃうもの。男の心の中。目覚めのいい夜居の僧。コソ泥が物陰に隠れて見てるかもしれないのを誰が気づくのかしら?(気づかないでしょ) なのに暗闇にまぎれて、こっそりと物を盗る人もいるかもしれないわね。それって、コソ泥が自分…

暑げなるもの

暑苦しげなもの。随身の長の狩衣。衲(のう)の袈裟。出居にいる近衛府の少将。ものすごく太ってて、髪の毛が多い人。六、七月の加持祈祷で、日中のお勤めをしてる阿闍梨(あじゃり)。 ----------訳者の戯言--------- 随身(ずいじん)というのは、貴族の外…

わびしげに見ゆるもの

つらそうに見えるものというと…。6、7月のお昼頃から午後3時頃くらいに汚らしい車を貧相な牛に引かせて、ガタガタ揺らせながら行く者。雨が降らない日に雨除けの筵(むしろ)を張り巡らしてる牛車。すごく寒い時期、暑い頃なんかに身分の低い、身なりの悪い…

いみじう心づきなきもの

ものすごく気に入らないモノ。 祭や禊を男が見物するのに、たった一人で車に乗って見るなんて。どういうつもりなんでしょ。高い身分じゃなくたって、若い従者なんかで見たがってる者を連れて乗せればいいのにね。車の隙間からは中で一人ゆらゆら動いてるのが…

正月に寺にこもりたるは⑦ ~二月つごもり~

二月の終わりから三月一日にかけての頃、桜の花の盛りの時期に籠るのも趣があるわね。キレイな若い男のコたちとその主人だと思われる2、3人が、桜襲ねの狩衣、柳襲ねなんかをすごくいい感じに着てて、括り上げた指貫の裾も上品に見えるの。このお籠りの場に…