枕草子を現代語訳したり考えたりしてみる

清少納言の枕草子を読んでいます。自分なりに現代語訳したり、解説したり、感想を書いています。専門家ではないので間違っていたらすみません。ご指摘・ご教授いただけると幸いです。私自身が読む、という前提ですので、初心者向けであって、何よりもわかりやすい、ということを意識しているのですがいかがでしょうか。最初から読みたい!という奇特な方は「(PC版)リンク」から移動してください。また、検索窓に各段の冒頭部分や文中のワードを入れて検索していただくと、任意の段をご覧いただけると思います(たぶん)。

2019-10-01から1ヶ月間の記事一覧

正月に寺にこもりたるは⑥ ~日うち暮るるほど詣づるは~

日が暮れる頃に参詣する人は、これからお籠りするのかしらね。小坊主たちが、普通じゃ持ち歩けそうにない大きな屏風で丈の高いのを、すごく上手に動かして、畳なんかを置いたのを見たと思ったら、すぐに部屋を作り上げて、犬防ぎに簾をさらさらっと掛けるの…

正月に寺にこもりたるは⑤ ~日ごろこもりたるに~

何日も籠ってるんだけど、はじめのうちはお昼は少しのんびりしてたの。僧侶の宿坊に、従者の男たちや女、子どもたちがみんな行ってしまって、退屈にしてたら、傍で法螺貝をいきなり吹き出したのにはすごくびっくりしたわ。きれいな立文(たてぶみ)をお供に…

正月に寺にこもりたるは④ ~犬防のかたより法師より来て~

犬防ぎ(いぬふせぎ)の方から僧侶がやって来て、「よくよく願をかけさせていただきました。何日ほどお籠りなさってるのでしょうか。今はこれこれの方がお籠りになってますよ」なんて言って、去っていったかと思うと、すぐに火鉢や果物なんかを次々に持って…

正月に寺にこもりたるは③ ~御あかしの~

仏壇のお灯明が常夜灯ではなく、内陣に別の人が奉納した灯明が恐ろしいくらい燃えてて、ご本尊がキラキラと輝いて見えるのは、とても尊くて、僧侶たちが手に手に願文を捧げ持って、礼盤で体をゆらゆら揺らしながら誓願をしてるんだけど、そんな風に全員で騒…

正月に寺にこもりたるは② ~内外許されたる若き男ども~

出入りが許されてる若い男たちや一族の人たちなんかがたくさん後ろに並んでて、「その辺は低くなってるところです。…高くなってますよ。」なんて教えながら進むのね。何者なんだろう、すごく近づいて歩いたり、先に行く者なんかに、「ちょっと待って。人がい…

正月に寺にこもりたるは①

正月に寺に籠る時は、すごく寒くて雪が降って冷え込むほうがいい感じなの。雨が降ってきそうな時っていうのは全然だめなのよね。清水寺なんかにお参りして部屋の準備ができるまでの間、階段のある長い廊下のところまで車を寄せて停めてたら、帯だけをした若…

あはれなるもの

しみじみとするもの。父母を敬い、父母に仕える人の子。で、身分の高い若い男子が御嶽精進してるの。部屋を隔てて、未明に礼拝しているのには、とてもしんみり感じ入ってしまうわ。親しい女性なんかが、目を覚ましてそれを聞いてるんだろうな、って想像しち…

冬はいみじう寒き

冬はすごく寒いの(がいい)、夏は今まで経験してないくらい暑いのがいいの。 ----------訳者の戯言--------- めちゃくちゃ寒いのとか、かつてないくらい暑いのが良い!と言い切ってます。中途半端なのはいらんということですね。四季ってそういうもんでしょ…

描きまさりするもの

絵に描くと実物より勝ってるもの…。松の木、秋の野、山里、山道。 ----------訳者の戯言--------- 前の段の続きというか、対になってる段です。 今回は率直な感想というのがなかなか思い浮かばないというか、そんなもんなのかなぁという感じです。 たしかに…

絵にかきおとりするもの

絵に描くと見劣りするものっていうと…。なでしこ、菖蒲、桜。物語で素晴らしいと言われてる男や女のルックス。 ----------訳者の戯言--------- そりゃ、絵に描いたのより実物でしょ、ってこと。特にそういった傾向の強いものを挙げて見ました、と。 花はいざ…

つねよりことにきこゆるもの

普段とは違って聴こえるもの。正月の牛車の音、それから、鶏の鳴き声、まだ暗いうちに聴こえる咳、楽器の音はいうまでもないわ。 ----------訳者の戯言--------- 暁(あかつき)というのは、まだ暗いうちの夜明けを言うようですね。文字通り、未明のことです…

うづきのつごもりがたに

4月の終わり頃に初瀬(長谷寺)に参詣に行く時、淀の渡りっていうのを体験したんだけど、舟に車を担いでしっかり載せて、舟を進めてって。菖蒲や菰(=真菰/マコモ)なんかの先端が水面から短く見えてるのを取らせたら、すごく長かったの。川をその菰を積ん…

原は

原っていうと、あしたの原、粟津の原、篠原。萩原。園原。 ----------訳者の戯言--------- あしたの原は、漢字では「朝原」「朝の原」と書くそうです。「奈良県北西部、北葛城郡王寺町から香芝市にかけての丘陵」と出ていました。 はたまた。この辺りに相違…