枕草子を現代語訳したり考えたりしてみる

清少納言の枕草子を読んでいます。自分なりに現代語訳したり、解説したり、感想を書いています。専門家ではないので間違っていたらすみません。ご指摘・ご教授いただけると幸いです。私自身が読む、という前提ですので、初心者向けであって、何よりもわかりやすい、ということを意識しているのですがいかがでしょうか。最初から読みたい!という奇特な方は「(PC版)リンク」から移動してください。また、検索窓に各段の冒頭部分や文中のワードを入れて検索していただくと、任意の段をご覧いただけると思います(たぶん)。

つねよりことにきこゆるもの

 普段とは違って聴こえるもの。正月の牛車の音、それから、鶏の鳴き声、まだ暗いうちに聴こえる咳、楽器の音はいうまでもないわ。


----------訳者の戯言---------

暁(あかつき)というのは、まだ暗いうちの夜明けを言うようですね。文字通り、未明のことです。

方弘は、いみじう人に笑はるるものかな」の「戯言」に書いたんですが「もの」と出てきた時は前後の文脈から推し量らなければなりません。とはいえ、「ものの音」と言われても、わかりませんよ、正直。音の出るものありすぎでしょ。とまあ、結局よくわからないので調べて見たら、「もの=楽器」でした。ま、音の出るものの代表格と言えばそうなんですけどね。ちょっと私には不親切です。っていうか、当時の人はこれでわかったんですね。だとしたら、それはそれでいいんですけど。

まあ、今なら「飲む」といえば酒、「検索」と言えばgoogle先生、「甘い物」はスィーツ、つまり概ね洋菓子の類であるというようなものでしょうか。

お正月に聴こえる音は特別だわ、ということです。


【原文】

 常よりことに聞こゆるもの 正月の車の音。また、鳥の声。暁のしはぶき。物の音はさらなり。