つねよりことにきこゆるもの
普段とは違って聴こえるもの。正月の牛車の音、それから、鶏の鳴き声、まだ暗いうちに聴こえる咳、楽器の音はいうまでもないわ。
----------訳者の戯言---------
暁(あかつき)というのは、まだ暗いうちの夜明けを言うようですね。文字通り、未明のことです。
「方弘は、いみじう人に笑はるるものかな」の「戯言」に書いたんですが「もの」と出てきた時は前後の文脈から推し量らなければなりません。とはいえ、「ものの音」と言われても、わかりませんよ、正直。音の出るものありすぎでしょ。とまあ、結局よくわからないので調べて見たら、「もの=楽器」でした。ま、音の出るものの代表格と言えばそうなんですけどね。ちょっと私には不親切です。っていうか、当時の人はこれでわかったんですね。だとしたら、それはそれでいいんですけど。
まあ、今なら「飲む」といえば酒、「検索」と言えばgoogle先生、「甘い物」はスィーツ、つまり概ね洋菓子の類であるというようなものでしょうか。
お正月に聴こえる音は特別だわ、ということです。
【原文】
常よりことに聞こゆるもの 正月の車の音。また、鳥の声。暁のしはぶき。物の音はさらなり。
人生はあはれなり… 紫式部日記 本日もいとをかし!! 枕草子 (コミックエッセイ)
- 作者: 小迎裕美子,紫式部
- 出版社/メーカー: KADOKAWA
- 発売日: 2015/04/24
- メディア: Kindle版
- この商品を含むブログを見る