絵にかきおとりするもの
絵に描くと見劣りするものっていうと…。なでしこ、菖蒲、桜。物語で素晴らしいと言われてる男や女のルックス。
----------訳者の戯言---------
そりゃ、絵に描いたのより実物でしょ、ってこと。特にそういった傾向の強いものを挙げて見ました、と。
花はいざ知らず、文章で描かれてるのもを絵として具現化などすると、往々にして頭の中で美化してたのに比べて期待外れになっちゃうということですね。よほどビジュアライズする力が無いと原作を超えられないんですよ、やはり。
小説のドラマ化でキャスティングが不評だったりとか、アニメ化でキャラデザインがいけてないとか。やっぱ原作のほうがいいじゃん、って言われるんですよ、どうしてもね。アニメの実写版見たらガッカリするとか、コミックのアニメ化だとCVがダメとかいうのも同様ですね。
しかし逆に、今はSNOWで盛りまくった写メやフォトショで加工した画像のほうが圧倒的によくって、実物を見たら、詐欺か?ってなっちゃってます。テクノロジーってコワイ。
さて、考えてみると「写メ」もおかしな言葉なんですよね。元々は「携帯電話で撮った写真付きの電子メール」のことだったんですからね。今やそんなこととは知らずにこの言葉を使う世代が主流となってます。すでに画像をメールに添付できるのは当たり前ですから、「写メ」とは普通にスマホで撮った写真、画像のことですものね。SNSに上げても「写メ」。インスタもLINEもメールではありません。なので「メ」ってなんやねん!という話です。
けしからんという話ではなく、なんとなく感じる違和感。ま、時間が解決するのでしょうけれど。
こんな短期間で言葉の様相が変わるのですから、枕草子が書かれてから1000年、そりゃ言葉についての意味もセンスも変わるというものです。
【原文】
絵にかき劣りするもの なでしこ。菖蒲。桜。物語にめでたしと言ひたる男・女の形。