枕草子を現代語訳したり考えたりしてみる

清少納言の枕草子を読んでいます。自分なりに現代語訳したり、解説したり、感想を書いています。専門家ではないので間違っていたらすみません。ご指摘・ご教授いただけると幸いです。私自身が読む、という前提ですので、初心者向けであって、何よりもわかりやすい、ということを意識しているのですがいかがでしょうか。最初から読みたい!という奇特な方は「(PC版)リンク」から移動してください。また、検索窓に各段の冒頭部分や文中のワードを入れて検索していただくと、任意の段をご覧いただけると思います(たぶん)。

関白殿、二月二十一日に㉒ ~女院の御桟敷~

 女院の桟敷や所どころの桟敷をいろいろ見渡すと、その様子がすばらしいの。関白殿(道隆)は、定子さまのいらっしゃる御前から女院の座敷に参上なさって、少ししてから、ここにいらっしゃったのね。大納言の二人、三位の中将は陣に詰めてられる姿のままで、道具を背負って、すごく似合ってる感じ、いかしたご様子でいらっしゃるの。殿上人、四位、五位の人たちが大勢連れだって、お供をして並んで座ってるわ。


----------訳者の戯言---------

道隆の妹の詮子は円融天皇の女御であり一条天皇の母です。この段に描かれている時点では女院東三条院)です。ということで、女院女院と出てきますが、定子の叔母であって義理の母。ややこしすぎます。

三位の中将というのは、この時は藤原隆家でした。というのは、この段の⑭にも書きましたね。詳しくはまた読み返してくださると幸いです。

関白・道隆が息子や部下を多数引き連れて登場、というシーンですが、そんなにヨイショしますか?と言いたくなるほどの持ち上げよう。
㉓に続きます。


【原文】

 女院の御桟敷、所々の御桟敷ども見渡したる、めでたし。殿の御前、このおはします御前より院の御桟敷に参り給ひて、しばしありて、ここに参らせ給へり。大納言二所、三位の中将は陣に仕り給へるままに、調度(でうど)負ひて、いとつきづきしう、をかしうておはす。殿上人、四位・五位こちたくうち連れ、御供に候ひて並みゐたり。