枕草子を現代語訳したり考えたりしてみる

清少納言の枕草子を読んでいます。自分なりに現代語訳したり、解説したり、感想を書いています。専門家ではないので間違っていたらすみません。ご指摘・ご教授いただけると幸いです。私自身が読む、という前提ですので、初心者向けであって、何よりもわかりやすい、ということを意識しているのですがいかがでしょうか。最初から読みたい!という奇特な方は「(PC版)リンク」から移動してください。また、検索窓に各段の冒頭部分や文中のワードを入れて検索していただくと、任意の段をご覧いただけると思います(たぶん)。

蟻通の明神④ ~ほど久しくて~

そのあと、しばらく経ってから、小さい玉に七曲りに曲がりくねった穴が中を通って左右に貫通してるのを献上されて、「これに糸を通していただけますか、私たちの国ではみんなやってることです」って奏上したんだけど、「どんな熟達の者だってお手上げですよ…

蟻通の明神③ ~また二尺ばかりなる蛇の~

また、二尺(約60cm)くらいの長さの蛇で全く同じ長さのを「これはどっちが男でどっちが女なん?」って献上してきたの。またもやみんな見分けがつかないのね。そこで例の中将がまた親のところに来て尋ねたら、「二つを並べて、尻尾の方に細い小枝を近づけた…

蟻通の明神② ~唐土の帝~

中国の皇帝がこの国の帝を何とかして騙して日本を征服しようって、いつも試し事をして、争い事をしかけてきてはプレッシャーをかけてこられるんだけど、ツヤツヤしてて丸くってキレイに削った木の二尺(約60cm)ほどあるのを、「これの上っ側と最後尾『末』…

蟻通の明神①

蟻通(ありとおし)の明神は、紀貫之の馬が倒れた時、この明神が病気になさったのだって歌を詠んで奉納したっていうの、すごくいかしてるわよね。 じゃあこの蟻通っていう名前をつけたお話は、本当だったのかしら?? 昔いらっしゃった帝が、ただ若い人だけ…

社は

社(やしろ)っていうと、布留(ふる)の社。生田(いくた)の社。丹比(たび)の御社(みやしろ)。花ふちの社。杉の御社は、霊験(れいげん)があるのかな?って思ったら、いい感じに思えるわ。ことのままの明神はすごく頼もしいわね。でも「そんな風に聞…

駅は

駅(うまや)は。梨原(なしはら)。望月の駅。野磨(やま)の駅は、しみじみいい話があったのを聞いてたんだけど、またしんみりしちゃう切ない出来事があったから、やっぱりいろんなことを考え合わせてしみじみ感動しちゃうの。 ----------訳者の戯言------…

清水にこもりたりしに

清水寺に籠ってた時に定子さまがわざわざお使いを寄越されて、お手紙をいただいたんだけど、唐の紙の赤っぽいのに仮名書きで、 「山ちかき入相(いりあひ)の鐘の声ごとに恋ふる心の数は知るらむ(山に近いお寺の夕暮れの鐘の音が一つ鳴るごとに、あなたを恋…

御乳母の大輔の命婦

御乳母の大輔の命婦(たいふのみょうぶ)が日向の国へ下る際に、定子さまがお授けになった扇の中に、片面は日光が明るくのどかに射してる田舎の館なんかがたくさん描かれて、もう片方の面には京のしかるべき所で雨がひどく降ってるのが描かれてて、 あかねさ…

三条の宮におはします頃

三条の宮殿に定子さまがいらっしゃった頃、五月五日の菖蒲の輿なんかを持ってやってきて、薬玉を献上したりするの。 若い女房たちや御匣殿(みくしげどの)とかは、薬玉を姫宮や若宮のお着物にお付けなさってらっしゃって。とってもいい感じの薬玉が他のとこ…

細殿にびんなき人なむ

「細殿に通ってくるの、どうなんだかなぁ?っていう男のヒトが暁の頃に傘をさして出てったのよ!」ってみんな言い出したの、よく聞いてみたら、私のコトだったのよね。地下人(じげにん)とかって言っても、見た目は感じよくって、でも(私のお相手として)…

よろづの事よりも④ ~御輿のわたらせ給へば~

御輿がお通りになったら、どの車も全部轅(ながえ)を下ろして、御輿が過ぎ去られたら慌てて上げるのもおもしろいわ。見物の桟敷の前に停めてる車っていうのはめちゃくちゃ厳しく制止されるんだけど、「何で停めちゃいけないんだよ?」って強引に停めるもん…

よろづの事よりも③ ~物見の所の前に~

見物のための場所、桟敷の前に車を停めて観覧するのもすごくおもしろいの。殿上人が挨拶に人を寄こしたりしてね。その桟敷の主催者が先払い担当さんたちに水飯(すいはん)を振る舞うっていうから、階段のところに馬を引き寄せたら、エエトコのお子さんなん…

よろづの事よりも② ~よき所に立てむと~

‭ いい場所に車を停めよう!って急がせたもんだから、朝早く家を出て、行列を待つ間、座り込んだり、立ち上がったりしてて。暑くて苦しくってめちゃ疲れちゃってたら、まさにその時!! 斎院の垣下(えが)に参上なさった殿上人、蔵人所のスタッフ、弁官、少…

よろづの事よりも①

ほかのどんなことにも増して、みすぼらしい車にイケてない服装で乗って見物する人って、すごく気に入らないわ。説教なんかを聞く時は全然いいけど。仏罰を無くすためのものだからね。それでもやっぱりあんまり酷いと見苦しいっていうのに、ましてやそれで祭…

ものへ行く路に

どこかへ行く道の途中で、清潔感があってスリムな男が、立文(たてぶみ)を持って急いで行くのは、どこに行くんだろ?って見ちゃうわ。 また、キレイな女の子なんかが、袙(あこめ)とか、それもすごく新しくて鮮やかに際立ってるんじゃなくて、着慣れてやわ…

人の家につきづきしきもの

(それなりの)人の家に似つかわしいものっていうと…。肘を折ったように曲がってる廊下。円座(わらふだ/わろうだ)。三尺の几帳。大柄な童女。品のいい召使いの女。 侍の控室。折敷(おしき)。懸盤(かけばん)。中の盤。衝立障子。かき板。みごとに装飾が…

短くてありぬべきもの

短くっていいもの。急ぎのモノを縫う糸。身分の低い女の髪。人の娘の声。灯台。 ----------訳者の戯言--------- 短くてもいいもの。短いからこそいいもの?という段です。 身分の低い女性というのは、下仕えしてる者とか農作業をしてるような者だから、公家…

おほきにてよきもの

大きいのがいいもの。家。餌袋。法師。くだもの。牛。松の木。硯の墨。 男子の目の細いのは女性っぽいわ。とはいっても、鋺(かなまり)みたいなのも恐ろしいわね。火桶。ほおずき。山吹の花。桜の花びら。 ----------訳者の戯言--------- 家ですか、やはり…

月のいと明かきに

月がすごく明るい夜、川を渡ったら、牛が歩くのにつれて、水晶なんかが割れたみたいに水が散っていくのはおもしろいわね。 ----------訳者の戯言--------- 月の明るい夜、牛車で浅い川を渡っているのでしょうか。そういえば「月の輝く夜に」って映画ありまし…

よくたきしめたる薫物の

よく焚きしめた薫物(たきもの)が、昨日か、一昨日なのか今日なのかなんて忘れちゃったけど、取り上げたら、煙の香が残ってるのは、たった今焚きしめた香りよりすばらしいわ。 ----------訳者の戯言--------- 薫物というのは、種々の香を調合して作った練香…

五月の菖蒲の

五月の節句の菖蒲が、秋冬が過ぎるまで残ってるの、すごく白くなって枯れて変になっちゃってるんだけど、引き折って取り上げたら、あの時の香りが残ってて漂うの。すごくいい感じなのよね。 ----------訳者の戯言--------- かかふは、「抱かふ」と書き、抱き…

清水などに参りて

清水寺なんかにお参りして、坂の下のほうから上っていくあたりで、柴を焚く香りが、すごくしみじみとしてて、それがいい感じなの。 ----------訳者の戯言--------- 坂もと。今は京都市中京区に坂本町がありますが、どうやら違うようで。坂本町は現在の京都御…

九月二十日あまりのほど

9月20日過ぎの頃、初瀬(の長谷寺)にお参りをして、とても小さな家に泊まったんだけど、すごく疲れてたから、ただただ眠り込んじゃってたの。 夜が更けて、月明かりが窓から漏れてたから、人がみんなが横になってるんだけど、衣の上に白く映ったりなんかし…

八月つごもり

八月の末、太秦(広隆寺)にお参りするってときに、見たら、穂が出てきた田を、人がすごく大勢で見て騒いでるの。稲刈りをしてたのね。 「早苗取りしかいつのまに(早苗を取って植えたけど、いつの間に~)」ってホント、この前、賀茂神社へ参詣しようって(…

賀茂へまゐる道に

賀茂神社への参道で、田植をするってことで、女たちが新しい折敷(おしき)のようなものを笠にして被って、すごく大勢で立って歌を歌ってるの。身体を折って伏せるようにして、また何をしてるのかも見えないまま、後方に下がってくのよね。どうしたんでしょ…

五月四日の夕つ方

五月四日の夕方、青い草をいっぱい、すごくキレイに切りそろえて、左右の肩にかついで、赤衣(あかぎぬ)を着た男が歩いて行くのって、いい感じだわ。 ----------訳者の戯言--------- 端午の節句(五月五日)の前日の夕方ですから、節句、節会の準備なんでし…

いみじう暑きころ

めちゃくちゃ暑い時季、夕涼み!っていう時間帯には物の様子なんかもはっきりわからないんだけど、男車が先払いをするのは言うまでもなく、フツーの人でも後ろの簾(すだれ)を上げて、二人でも一人でも乗って走らせて行くのは涼しそうだわ。ましてや琵琶を…

五月ばかりなどに山里にありく

五月の頃なんかに山里を歩くのはすごくおもしろいの。草の葉も水もすごく青く、あたり一面に見えてて、上の方はさりげなく草が生い茂ってる、長く続いてる道をまっすぐに行ったら、下は何とも言えない水が、深くはないんだけど、お供の人が歩いて行ったら水…

祭のかへさ、いとをかし③ ~わたり果てぬる~

斎院へのお帰りの一行が通り過ぎた後すぐは気持ちも乱れちゃって、我も我もと、危なくって怖ろしいくらい先に行こうって急いでるの、それを(お供の者たちは)「そんなに急がないで」って扇を差し出してガードするんだけど、聞き入れないもんだから、どうし…

祭のかへさ、いとをかし② ~いつしかと待つに~

いつなんだろう?って待ってたら、御社の方から赤衣(あかぎぬ)を着た者たちが連れ立ってやって来たから、「どうなってるの? 準備はOKなの?」って言ったら、「まだっすよ、いつのことだかなぁ」なんて答えて、御輿なんかを持ってくの。斎王があの御輿にお…