里は
里というと…逢坂の里。ながめの里。寝覚めの里。人づまの里。たのめの里。夕日の里。
つまどりの里は、誰かに取られたんだろうか、自分が奪い取ったんだろうか、どっちにしても面白い名前よね。伏見の里。あさがほの里。
----------訳者の戯言---------
ざっと見てみると、何か面白げかなぁって思うような里の名前を、いろいろと挙げているようですね。ただ、その由来とか内容にまでは言及していないので、消化不良ではあります。コメントしてるのは「つまどりの里」だけですもんね。しかしさすが清少納言、やはりこういう色恋沙汰関連ワードには黙っていられないようです。不倫とか略奪愛とか、結構好きそうですよね。ちょっと前のですけど、上戸彩の「昼顔」とか、絶対好きだと思います。
本題ですが、この段も名前を列挙して、あとは読み手に委ねる、という例のスタイルです。もちろんそれも書き手の自由なんですけど、スルーしてしまいがちですよね。何か解説したり、論評したりしてくれるといいんですけれど。いずれにせよ「あかつきに帰らむ人は」の段とは別の意味で教科書には載らない段だと思います。
【原文】
里は 逢坂の里。ながめの里。寝覚(いざ)めの里。人づまの里。たのめの里。夕日の里。
つまどりの里。人に取られたるにやあらむ、我がまうけたるにやあらむとをかし。伏見の里。あさがほの里。