権の守は
権の守(ごんのかみ)でいいのは…。甲斐。越後。筑後。阿波。
----------訳者の戯言---------
さて、国司、特にその長官である守(かみ)の権官「権の守」です。
「上達部は」の段でも書きましたが、藤原氏をはじめとして、大臣経験者のいるセレブリティの子どもたちは、一定の年齢になると、その実力とは別に、自動的に官位が与えられるのが普通でした。けれど、官職には定員があって、権官というポストを増やしていったというんですね。
で、国司の「権の守/権守」の場合には実際に国守を補佐する人、単に名目上だけのものもあったらしいです。
ひとつ前の段にも書きましたが、実際には地方に赴任せず、都にいたままの国司の守もいたようですね。これを「遙任」と言いました。で、代わりにナンバー2の「権守」が受領として活躍(蓄財?)したこともあったようです。ここはその例なのでしょう。
甲斐は今の山梨県、越後は新潟県、筑後は福岡県の南部、阿波は徳島県です。
甲斐といえば甲斐路というブドウです。越後は越後製菓のかきもち、おせんべいですね。高橋英樹の。筑後はよくわかりませんが、久留米とかが含まれるらしいところです。ラーメンですか? 阿波は阿波踊りですが、食べ物では、すだち、阿波尾鶏という鶏、鳴門金時、徳島ラーメンも好きですし、大野海苔の味付海苔、最近は「すだち練りとうがらし」も絶品です。と、ここだけやたら詳しいのは、実は私、徳島県の出身で、書きすぎましたね。すみません。
しかし。
この4つの国がなぜピックアップされてるのかいまいちわかりません。当時は国が、大国、上国、中国、小国に分けられてて、ここに書かれているのはいずれも上国に属する国ではあります。ですが、上国は全国に35もありましたし、都からの近さとか広さもバラバラなので、そのメリットが不明なんですよね。
知り合いが行ったんですか? 個人的なイメージですか? 清少納言も、何でなのか書いといてくださいよー、と思います。
【原文】
権の守は 甲斐。越後。筑後。阿波。