枕草子を現代語訳したり考えたりしてみる

清少納言の枕草子を読んでいます。自分なりに現代語訳したり、解説したり、感想を書いています。専門家ではないので間違っていたらすみません。ご指摘・ご教授いただけると幸いです。私自身が読む、という前提ですので、初心者向けであって、何よりもわかりやすい、ということを意識しているのですがいかがでしょうか。最初から読みたい!という奇特な方は「(PC版)リンク」から移動してください。また、検索窓に各段の冒頭部分や文中のワードを入れて検索していただくと、任意の段をご覧いただけると思います(たぶん)。

宰相の中将③ ~月ごろいつしかと~

 この何カ月かの間、今か今かと思ってたことさえ、我ながら物好きだわって思ってたんだけど、どうしてそあんな風に予想どおり!みたいにおっしゃったのかしら? いっしょになって悔しがって言ってた中将(源宣方)は何も気にせずに座ってるもんだから、「あの夜明けのことを注意されてるんだよ。覚えてないの?」っておっしゃったら、ようやく「わかった、ほんとほんと」ってお笑いになってるの、こりゃダメだわ。


----------訳者の戯言---------

清少納言的には、七月の七夕が来たら「絶対あのこと言って、またまたおもしろがってやろう!!」って待ち構えてたんですね。ワクワク感もあったんでしょう。なのに、斉信サマときたら、さらにその予想を超えて、なんてスマートに返してきたんでしょ♡ 

しかしあの時いっしょにいた源(宣方)中将のほうは完全に忘れてる様子。アドリブの巧みに利いた、ピッカピカの斉信に比べると、雰囲気台無しの源中将には、容赦ないダメ出し。ちょっと気の毒ですね。噛ませ犬ですか?かえって同情してしまいます、私。

と、ここまで読んだところで、よく見ると、この段、めっちゃ長いじゃないですか。まだまだあるぞ。いったいこれ以上、何を書くというのでしょうか??
④に続きます。


【原文】

 月ごろいつしかとおもほえたりしだに、わが心ながら好き好きしとおぼえしに、いかでさ思ひまうけたるやうにのたまひけむ。もろともにねたがり言ひし中将は、おもひもよらでゐたるに、「ありし暁のこといましめらるるは。知らぬか」とのたまふにぞ、「げに、げに」と笑ふめるわろしかし。

 

こころきらきら枕草子 ~笑って恋して清少納言

こころきらきら枕草子 ~笑って恋して清少納言

  • 作者:木村 耕一
  • 発売日: 2018/07/31
  • メディア: 単行本