枕草子を現代語訳したり考えたりしてみる

清少納言の枕草子を読んでいます。自分なりに現代語訳したり、解説したり、感想を書いています。専門家ではないので間違っていたらすみません。ご指摘・ご教授いただけると幸いです。私自身が読む、という前提ですので、初心者向けであって、何よりもわかりやすい、ということを意識しているのですがいかがでしょうか。最初から読みたい!という奇特な方は「(PC版)リンク」から移動してください。また、検索窓に各段の冒頭部分や文中のワードを入れて検索していただくと、任意の段をご覧いただけると思います(たぶん)。

若き人、ちごどもなどは

 若い人や子どもなんかは、太ってるのがいいわ。受領とかの大人っぽい感じになった人も、ぽっちゃり系なのがいいわね。


----------訳者の戯言---------

受領というのは、「国司」の長官(守)だそうです。特に平安時代中期以降、任国に行かない遥任の国守に対して、実際に赴任する国守を「受領」と言いました。「ずりょう」「じゅりょう」などとも読みます。
国司には「守」「介」「掾」「目」の四等官があるんですが、これらのうち、現地赴任する国司の中の最高責任者を受領と呼ぶようになったのですね。受領は一定の租税を国庫へ納付さえすれば、それ以上の収入を私的に得ることができたようで、蓄財し、地方の権力者になっていったそうです。

まさか、受領が文字通り私腹を肥やしているから、と、皮肉っているわけではないと思いますが。

けど、ちょっと前に「雑色、随身は」で、「やっぱ若いうちは痩せてる方が…」って書いてましたやん。忘れたんか!? これぞ朝令暮改

もはや、清少納言がどんな趣味しててもいいんですけどね。


【原文】

 若き人・ちごどもなどは、肥えたる、よし。受領など大人だちぬるも、ふくらかなるぞよき。

 

えんぴつで枕草子 簡易版

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現代語訳 枕草子 (岩波現代文庫)

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