枕草子を現代語訳したり考えたりしてみる

清少納言の枕草子を読んでいます。自分なりに現代語訳したり、解説したり、感想を書いています。専門家ではないので間違っていたらすみません。ご指摘・ご教授いただけると幸いです。私自身が読む、という前提ですので、初心者向けであって、何よりもわかりやすい、ということを意識しているのですがいかがでしょうか。最初から読みたい!という奇特な方は「(PC版)リンク」から移動してください。また、検索窓に各段の冒頭部分や文中のワードを入れて検索していただくと、任意の段をご覧いただけると思います(たぶん)。

風は

 風は…嵐。3月頃の夕暮れにゆるく吹いた雨風。


----------訳者の戯言---------

嵐。激しい勢いで吹く風を嵐と言います。どの季節でもありますから、嵐だけで季語にはなっていません。
そもそもは山から吹き下ろす強い風のことを言ったようですね。「荒風」で「あらし」とか。山から吹き下ろしてくる風を「あらし」と呼んだそうで、「万葉集」とかでは、「山風」「下風」「山下」などの漢字が当てられていたそうです。私は未読・未確認ですが、そうらしいです。

で、そういえば、と思い出したのが、「吹くからに 秋の草木の しをるれば むべ山風を 嵐といふらむ」という和歌です。誰のだったか忘れたので調べると、文屋康秀(ふんやのやすひで)という人で、六歌仙の一人でした。ただ、官人としての位は低かったらしいです。9世紀(800年代)の人だったそうですね。
かの小野小町と親しかったらしく、三河の掾(じょう=三等官)として赴任する際に、一緒に行きませんか?と誘ったところ、「わびぬれば 身をうき草の 根を絶えて 誘ふ水あらば いなむとぞ思ふ」(こんなに落ちぶれて、我が身がいやになったのですから、根なし草のように、誘いの水さえあれば、どこにでも流れてお供しようと思います)と同意した歌が残っています。が、実際に同行したかどうかは不明のようですね。小野小町自身、実体がよくわからないのと、文屋康秀が下級官吏だったため、詳しい文献が残っていないからのようです。

逸れましたが、嵐のことを書いていたのでした。文屋康秀のは、むしろ、山+風=嵐という言葉遊びで、語源というわけではなさそうですね。

清少納言的には、風は「嵐」よ!!と。一番イケてる風は「嵐」よ!!! ということのようです。嵐、絶賛です。
やっぱ押しは松潤ですか?
ということではないですね。しかし、嵐、年末で活動休止、新型コロナの影響で新国立のコンサートも無くなりましたし、延期か?などと言われていますが、どうなるのでしょうか。
しかし、嵐が活動休止したら、千鳥の「チケットセンター」はどうなるんでしょうか? 紅ズワイガニエビ美のやつ。「桑田真澄ディナーショー」のやつ。結構好きなんですけど、お蔵でしょうか。キンプリとかに変えるんでしょうか。まあ私が心配しても仕方ないんですけど。


ご存じのとおり、三月は、昔は弥生(やよい)と言いました。「木草弥や生ひ月(きくさいやおひづき)」(草木がいよいよ生い茂る月)が詰まって「やよひ」なんですが、今の4月前後頃に当たります。

俳句で使う「季語」というのがありますが、春の季語に「ようず」というのがあり、3、4月頃の夕方に吹く、雨もよいのぬるい南風のことをこう言うらしいです。おそらく、ここで出てきたのはこの風のことだと思いますが、雨は降るし、ぬるい風だし、どこがいいのかはよくわかりません。

そういえば、「雨もよい」という語は今あまり使いませんよね。「雨模様」はそこそこ使いますけど。読みは「あまもよい」で、漢字は「雨催い」です。雨を催す、つまり今にも雨が降りだしそうな空のようすを表す言葉なんですが、死語に近いです。
それはそれでいいんですが、「雨が降りそうだよねー」って言うよりも「雨もよいだよねー」のほうが、言葉短いですし、使えそうな気します。もっと言うと、「エモい」とか「りょ」とか使ってるんですから、「雨もよ」でいんじゃね? 今っぽくね? と思いますが、JKのみなさんいかがでしょう? 昔の言葉を守ろうとかダサいことでなく。ぜひ採用していただけたらと思います。
これが結論?


【原文】

 風は 嵐。三月ばかりの夕暮れにゆるく吹きたる雨風(あまかぜ)。