枕草子を現代語訳したり考えたりしてみる

清少納言の枕草子を読んでいます。自分なりに現代語訳したり、解説したり、感想を書いています。専門家ではないので間違っていたらすみません。ご指摘・ご教授いただけると幸いです。私自身が読む、という前提ですので、初心者向けであって、何よりもわかりやすい、ということを意識しているのですがいかがでしょうか。最初から読みたい!という奇特な方は「(PC版)リンク」から移動してください。また、検索窓に各段の冒頭部分や文中のワードを入れて検索していただくと、任意の段をご覧いただけると思います(たぶん)。

ある女房の、遠江の守の子なる人を

 ある女房が遠江(とおとうみ)の守(かみ)の子である人と親しい関係になってたんだけど、その男が同じ宮に仕えてる女房と密かに親しくなってるって聞いて恨んだものだから、「『親の名にかけて誓わせてください。とんでもない嘘です。夢の中でだって逢ったことはありません!』って言うんだけど、どう返したら良いんでしょう??」って言うから…

誓へ君遠江の神かけて むげに浜名の橋見ざりきや
(誓いなさい、遠江の守り神の名にかけて、絶対に浜名の橋(女)を見なかったのだと)


----------訳者の戯言---------

原文に「語らひてある」とありますが、「語らふ」には、「親しく話し合う。じっくりと話す。」のほかに「親しく交際する。懇意にする。」ひいては「男女が契る」意味もあったようです。文意から意味を察しなければならないという高度なスキルが必要というわけですね。
昨今はリテラシー、特にネットにおけるリテラシーがよく云々されます。リテラシーが欠けていると、所謂「空気が読めない奴」と揶揄されたりするんですよね。
昔も今も読解力、察する力というのは重要なようです。

というわけで、さらにさらに。清少納言リテラシー自慢です。
こんなこと同僚が言ってたんだけど、うまいこと詠んだわ私。という段でした。なんだそれ。

しかもネタにして拡散されてるし~。私がその同僚なら、コイツに言うんじゃなかった!!と思うかも。むしろ、「お前こそ空気読め」と思いました。


【原文】

 ある女房の、遠江の子なる人を語らひてあるが、同じ宮人をなむ忍びて語らふと聞きて、うらみければ、「『親などもかけて誓はせ給へ。いみじきそらごとなり。ゆめにだに見ず』となむいふは、いかがいふべき」と言ひしに、

  誓へ君遠江の神かけてむげに浜名の橋見ざりきや