枕草子を現代語訳したり考えたりしてみる

清少納言の枕草子を読んでいます。自分なりに現代語訳したり、解説したり、感想を書いています。専門家ではないので間違っていたらすみません。ご指摘・ご教授いただけると幸いです。私自身が読む、という前提ですので、初心者向けであって、何よりもわかりやすい、ということを意識しているのですがいかがでしょうか。最初から読みたい!という奇特な方は「(PC版)リンク」から移動してください。また、検索窓に各段の冒頭部分や文中のワードを入れて検索していただくと、任意の段をご覧いただけると思います(たぶん)。

職の御曹司におはします頃、西の廂にて③ ~後、ならひたる~

 その後、学習したのか、彼女、いつもわざわざ目につくように、うろうろするようになったの。で、まんまなんだけど、「常陸の介」ってニックネームをつけたのよ。服も白いのに替えてなくって、前とおんなじで汚れてたもんだから、あれはいったいどこにやったんだろ、とかって、ヤな感じはしてたのね。

 右近(左近?)の内侍が参上してきた時、定子さまが「こうこうこういう者を、おしゃべりしたりなんかして親しくなって、ここのお抱えにしてるようなのね。上手いこと言って、いつも来てるのよ」って、小兵衛っていう女房にまねをさせて、お聞かせになったものだから、「その人、何とかしてお見せいただきたいですわ。こちらのお馴染みさんみたいだから、絶対横取りしたりはしませんから」なんて言って、笑うの。


----------訳者の戯言---------

「右近(左近?)の内侍」というのは、一条天皇に仕えてる女房の一人だそうです。

かの女法師、どうやら多少の嫌悪感は持たれつつも、定子サロンの専属となった模様。何だか面白げなので、右近(左近?)の内侍も興味津々です。
④に続きます。


【原文】

 後、ならひたる<にや>あらむ、常に見えしらがひあり<く>[て]。やがて常陸の介とつけたり。衣も白めず、同じすすけにてあれば、いづち遣りてけむなどにくむ。

 <右>[左]近の内侍(ないし)の参りたるに、「かかるものをなむ語らひつけておきためる。すかして、常に来ること」とて、ありしやうなど、小兵衛といふ人にまねばせて聞かせさせ給へば、「かれいかで見侍らむ。必ず見せさせ給へ。御得意ななり。さらによも語らひとらじ」など笑ふ。

 

検:職の御曹司におはしますころ、西の廂にて 職の御曹司におはしますころ西の廂にて 職の御曹司におはします頃西の廂にて

新潮日本古典集成〈新装版〉 枕草子 上

新潮日本古典集成〈新装版〉 枕草子 上