枕草子を現代語訳したり考えたりしてみる

清少納言の枕草子を読んでいます。自分なりに現代語訳したり、解説したり、感想を書いています。専門家ではないので間違っていたらすみません。ご指摘・ご教授いただけると幸いです。私自身が読む、という前提ですので、初心者向けであって、何よりもわかりやすい、ということを意識しているのですがいかがでしょうか。最初から読みたい!という奇特な方は「(PC版)リンク」から移動してください。また、検索窓に各段の冒頭部分や文中のワードを入れて検索していただくと、任意の段をご覧いただけると思います(たぶん)。

五月の菖蒲の

 五月の節句の菖蒲が、秋冬が過ぎるまで残ってるの、すごく白くなって枯れて変になっちゃってるんだけど、引き折って取り上げたら、あの時の香りが残ってて漂うの。すごくいい感じなのよね。


----------訳者の戯言---------

かかふは、「抱かふ」と書き、抱きかかえる、召しかかえる、さらに→課せられたものとして保持する、つまり、現代で言うところの、仕事を抱える、悩みを抱える、等々の「抱える」のニュアンスもあるようですね。
ですが、ここで出てきた「かかへたる」はまた少し違う意味合いのようですね。「香りが漂う」という訳になります。「香かふ」の説もあるそうですから、そっちかもしれません。

また出てきました、菖蒲。ややっこしいやつです。
基本、菖蒲(しょうぶ)です。アヤメではありません。ただ、時々アヤメの場合があります。どないやねん。

菖蒲の芳香には、「テルペン」という分類に属する香り成分が多く含まれており、そのほか、アザロン、オイゲノールといった香りの成分が含まれているそうです。これらの成分は、血行促進や疲労回復にも効果があるそうです。入浴剤みたいなものですね。で、この菖蒲の根茎を乾燥させたものが「菖蒲根」という生薬となります。香りの強いものが良いとされていて、漢方では健胃や鎮痛などに効果がある…ということが言われてるらしいです。ほんまか?

とはいえ、菖蒲湯というものがあるのですから、入浴剤として使われるのは確かです。
そもそも「端午の節句」などというものも、古代中国で「厄祓い」のために始まった風習らしいですから、この菖蒲湯もそんな感じのものだったのだと思っていいでしょう。いい匂いするし~今年もやっか、ということで毎年やり続けて数千年ということですね。
実際、調べると、楽天Yahoo!ショッピングでも売られています「乾燥菖蒲」。が、Amazonでは販売なし。たしかにAmazonっぽくねー。

ただ、今はバスクリンもありますし、バブもあります。クレイとかアユラみたいなハイソでおしゃれなブランドものもあるから、今さら菖蒲湯ってのもね。そりゃ、オーガニックかもしれませんけど。オーガニックコスメのブランドも山ほどありますからね、今は。

というわけで、入浴剤というか芳香剤というか。アロマテラピーも、普通に天然の植物成分のアロマオイル(=エッセンシャルオイル)でやるわけですから、そうそう違うものではりません。と思って調べてみると、菖蒲由来の「カラムス」という精油エッセンシャルオイル)もあるらしいことがわかりました。アロマディフューザーとかに入れたりするといかしてますわね。

というわけで、なんかオシャレっぽい感じにまとめました私。清少納言もほんとはこんな風にまとめたかったでしょうね。どーだ。


【原文】

 五月の菖蒲の、秋冬過ぐるまであるが、いみじう白(しら)み枯れてあやしきを、引き折りあげたるに、その折の香の残りてかかへたる、いみじうをかし。

 

まんがで読む 枕草子 (学研まんが日本の古典)

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  • 発売日: 2015/03/17
  • メディア: 単行本