枕草子を現代語訳したり考えたりしてみる

清少納言の枕草子を読んでいます。自分なりに現代語訳したり、解説したり、感想を書いています。専門家ではないので間違っていたらすみません。ご指摘・ご教授いただけると幸いです。私自身が読む、という前提ですので、初心者向けであって、何よりもわかりやすい、ということを意識しているのですがいかがでしょうか。最初から読みたい!という奇特な方は「(PC版)リンク」から移動してください。また、検索窓に各段の冒頭部分や文中のワードを入れて検索していただくと、任意の段をご覧いただけると思います(たぶん)。

清水などに参りて

 清水寺なんかにお参りして、坂の下のほうから上っていくあたりで、柴を焚く香りが、すごくしみじみとしてて、それがいい感じなの。


----------訳者の戯言---------

坂もと。今は京都市中京区に坂本町がありますが、どうやら違うようで。坂本町は現在の京都御所の南あたりです。清水寺とは全然違う場所ですね。
「もと(本)」は下、元という意味合いかと思います。

道すがら、柴を焚いてたんでしょうね。焚火か民家の炊事でしょう。
今みたいにビニール袋やプラスチックとかは燃やさないですから、よほど変なものを燃やさなければ、香りは悪くないと思います。ま、平安時代ですから、ダイオキシンがどーのという議論はされません。ダイオキシンの発生や毒性についてはいろいろと科学的に議論されていますし、ほんとうに危険なのか、環境に対してどうなのかという詳細は省きますが、いずれにしても石油化学物質を燃やすと強い臭いがしますから、柴であれば安心で、風情も感じられたのでしょう。

さて、ここ4段くらい読んでると、賀茂神社広隆寺長谷寺清水寺、と、寺社に詣でている時のことだとわかります。しかも、季節や情景を盛り込んでいるんですね。これ、つまり、レジャースポットに出かけたときのインスタやツイートのアップに近いもの。ま、リアルタイムではなく、後年書かれたものでしょうけどね。
画像(情景描写)をアップして一言、みたいな感じがウケると思ったんでしょう、清少納言的には。ただ、本人はインフルエンサーのつもりかもしれませんが、それほど大したことは書いていません。今ならフォロワー2ケタレベルかと思います。


【原文】

 清水などに参りて、坂もとのぼるほどに、柴たく香のいみじうあはれなるこそをかしけれ。

 

枕草子 いとめでたし!

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