あそびは
遊びは夜ね。人の顔が見えない時間帯がいいわ。
----------訳者の戯言---------
この時代には、概ね管弦などの音楽系の楽しみ、詩歌、舞などを、「遊び」といったようです。今のリア充系の方々の遊びですよね。ライブ感ありそうです。楽器ができる人はアドリブセッションをやって、詩歌のやりとりは今で言うならさしずめMCバトルでしょうか。で、ダンスですね。これもアドリブ。今年はコロナで無理ですが。
でも現代で「遊び」と言うなら、なんといってもゲーム、そしてSNS、YouTubeでしょう。ガチャでレアアイテムゲトしたときの快感といったら!! もちろん、時間帯は問いません。電車の中でも、人によっては仕事中でも遊びます。
平安貴族たちは夜、薄暗いところ、顔が見えないくらいのところで、そういうライブをやるというのが楽しいっていうんですね。清少納言だけかもしれませんが。
今みたいに防音してたらいいんですけど、むしろ夜はちょっと近所迷惑だと思います。帝や中宮に近い人々の傲慢ですね。当時の「夜」は21時以降ですから、楽器をミュートなしで弾こうもんなら、今ならマンションの管理会社に通報されるレベルですよ。
顔も見えないくらい薄暗い中で、雅やかな音楽を奏でて、詩歌をやりとりしたり、舞を舞ったり…。いとをかしですわー。
と、そのへんのデリカシーがないところも清少納言らしいと思いました。
【原文】
遊びは 夜。人の顔見えぬほど。