枕草子を現代語訳したり考えたりしてみる

清少納言の枕草子を読んでいます。自分なりに現代語訳したり、解説したり、感想を書いています。専門家ではないので間違っていたらすみません。ご指摘・ご教授いただけると幸いです。私自身が読む、という前提ですので、初心者向けであって、何よりもわかりやすい、ということを意識しているのですがいかがでしょうか。最初から読みたい!という奇特な方は「(PC版)リンク」から移動してください。また、検索窓に各段の冒頭部分や文中のワードを入れて検索していただくと、任意の段をご覧いただけると思います(たぶん)。

陀羅尼は

 陀羅尼(だらに)を唱えるなら、暁がいい。お経を読むのは、夕暮れね。


----------訳者の戯言---------

陀羅尼(だらに)はサンスクリット語のダーラニーを漢字にしたもので、内容もサンスクリット語のものを漢字で音写したものだそうです。ダーラニーとは「記憶して忘れない」という意味で、本来は仏教修行者が覚えるべき教えや作法などを指したそうですが、これが転じて「暗記されるべき呪文」と解釈されるようになって、一定の形式を満たす呪文を特に「陀羅尼」と呼ぶようになったらしいです。

暁(あかつき)はまだ暗い夜明け。未明です。「あけぼの」よりは前の時間帯です。

根拠はよくわかりませんが、清少納言としてはそれぞれに合う時間帯があるようですね。私も一応、YouTubeでどちらも聴いてみましたが、ハッキリ言っておんなじです。私の感想は「陀羅尼もお経やん!!」でした。バチ当たりです。

ZOOの「チューチュートレイン」とEXILEの「チューチュートレイン」ぐらいの違いしかありません。もしくは。ミラクルひかる宇多田ヒカルぐらいですね。否。蟹とカニカマ?ぐらいの違いでしょうか。


実はうちのオカンがね、好きな文言があるらしいんやけど、忘れてしもうてね。
ほな考えましょかー。
オカンが言うのにはな、お坊さんが読むありがたーい文言やって言うねんな。
それお経やないかい!
けどオカンが言うにはな、葬式の時には絶対それ読まんといてほしいっていうねん。
ほなお経違うかー。お葬式にはお経が絶対付きモノやからねえ。お経のない葬式は、牛乳のかかってないコーンフレークみたいなもんやからね。
でもオカンが言うにはな、お線香の匂いにものすごく合うて、心がなんや落ち着く文言らしいねん。
そらお経やないかい! 心がものすごく洗われて、煩悩を消してくれるもんです、お経は。
けどな、朝暗いうちから読む、「だら」ナントカー言うてたんよな。
ほな、お経とちゃうがな。お経は朝暗いうちから読まへんでしょ、どっちかって言うたら夕方のもんでしょ。
で、清少納言が言うにはな。
清少納言
朝読むんは「だらに」ちゃうか?って言うてんねん。
いや絶対ちゃうやろ! もうええわー。

いやいや、そのとおりです。「だらに」なんですね、朝読むの。
というわけで、清少納言が言うにはそういうことらしいです。お経って、お寺の修行とかでお坊さんが朝から読んでるイメージもあるけど。内海もお経は夕方派なんですかね。


【原文】

 陀羅尼は 暁。経は 夕暮。

 

枕草子 上 (ちくま学芸文庫)

枕草子 上 (ちくま学芸文庫)