枕草子を現代語訳したり考えたりしてみる

清少納言の枕草子を読んでいます。自分なりに現代語訳したり、解説したり、感想を書いています。専門家ではないので間違っていたらすみません。ご指摘・ご教授いただけると幸いです。私自身が読む、という前提ですので、初心者向けであって、何よりもわかりやすい、ということを意識しているのですがいかがでしょうか。最初から読みたい!という奇特な方は「(PC版)リンク」から移動してください。また、検索窓に各段の冒頭部分や文中のワードを入れて検索していただくと、任意の段をご覧いただけると思います(たぶん)。

心もとなきもの② ~知られじと思ふ人の~

 知られたくないなって思う人がいる時に、すぐ前にいる女房に伝えて代わりに言わせてるの。いつなんだろ?って待ってて生まれた赤ちゃんが、五十日、百日なんかのお祝いをするくらいに育った時は、今後の成長がすごく気になるわね。

 急ぎの縫い物をする時に、薄暗い中で糸を通すの。だけど、それはそういうもんだから、針穴があるだろうってところを示して、人に通してもらおうとするんだけど、その人も急いでるんだろうかな、すぐには通せないもんだから、「もう結構です、通さなくていいです」って言うんだけど、それでもやはり何とかしようって思ってる顔であきらめもしないのは、憎らしささえ感じるわ。


----------訳者の戯言---------

前の記事①でも書きましたが、気が逸(はや)ること、あるあるです。
なんというか、気持ちが前のめりになっている感じがします。それをじれったいと言ってるわけです。

「ヨダレだこ」の運転するタクシーに乗るノブの気分ですね。それか、紅ズワイガニエビ美が担当するチケットセンターで、嵐のチケットを予約しようとしたら、桑田真澄ディナーショーと間違われ続けるノブでしょうか。ネタをご存じない方には、まったくワケがわからないですね。すみません。

けど、糸遠しなんか、人にやらせといて、この言い方はないよなー、清少納言なかなかのゲスっぷりです。

新型コロナの感染拡大がなかなか減速せず、このような時に読書と言うのも呑気な感じもします。亡くなった方も増えているし、経済的にひっ迫されている方も多数です。しかし私は、各々感染をこれ以上拡大させないためにできることを地道にやる他はありません。そして、幸いにも今生きていることに感謝し、外出できなくなった時間は、神様にいただいた休息の時間である、と気持ちを転換しようと思います。

というわけで、なかなか進みませんが、③に続きます。


【原文】

 知られじと思ふ人のあるに、前なる人に教へて物言はせたる。いつしかと待ち出でたるちごの、五十日(いか)、百日(ももか)などのほどになりたる、行く末いと心もとなし。

 とみのもの縫ふに、生暗うて針に糸すぐる。されど、それはさるものにて、ありぬべき所をとらへて、人にすげさするに、それも急げばにやあらむ、とみにもさし入れぬを、「いで、ただなすげそ」といふを、さすがになどてかと思ひ顔にえ去らぬ、にくささへそひたり。

 

まんがで読む 枕草子 (学研まんが日本の古典)

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  • 発売日: 2015/03/17
  • メディア: 単行本