枕草子を現代語訳したり考えたりしてみる

清少納言の枕草子を読んでいます。自分なりに現代語訳したり、解説したり、感想を書いています。専門家ではないので間違っていたらすみません。ご指摘・ご教授いただけると幸いです。私自身が読む、という前提ですので、「わかりやすい」「初心者向け」となっているとは思いますがいかがでしょうか。最初から読みたい!という奇特な方は「リンク」から移動してください。また、検索窓に各段の冒頭部分や文中のワードを入れて検索していただくと、任意の段をご覧いただけると思います(たぶん)。

かへる年の二月廿余日①

 翌年の二月二十日を過ぎた時、定子さまが職の御曹司にお出かけになるお供をせずに、私が梅壺に残っていた次の日、頭の中将(藤原斉信)からお手紙が来て、「昨日の夜、鞍馬寺に参詣しに来たのだけど、今夜は方角が悪いので、方違えするつもりです。夜明け前には宮中に帰る予定です。必ず言っておかなければいけないことがあるので、あまり大きな音で戸を叩かなくてもいいようにして、待っててください」とおっしゃってたんだけど、「どうして局に一人でいるのです? こちらに来て寝なさい」って御匣殿(みくしげどの)がお呼びになったから、参上したの。


----------訳者の戯言---------

「宮の職」というのは職の御曹司のことだそうです。前にも出てきましたが、「職の御曹司=職曹司」というのは、皇后に関する事務全般をやっていた中務省に属する役所「中宮職」の庁舎です。

梅壺というのは、天皇の后妃が暮らす建物のうちの一つだそうです。

方違え(かたたがえ)というのは、目的地の方角の縁起が良くない時に、前の夜に別方角に行って一泊してから目的地へ向かう行き方したらしいです。それのことです。

御匣殿(みくしげどの)というのは、中宮定子の妹君だそうです。

「翌年の~」という出だしで、しかも「頭の中将」が出てきましたから、前の段の続編なのでしょう。藤原斉信、なんかちょっかい出してくるのでしょうか。
②に続きます。


【原文】

 かへる年の二月廿余日、宮の職へ出でさせ給ひし御供に参らで、梅壺に残りゐたりしまたの日、頭の中将の御消息とて、「昨日の夜、鞍馬に詣でたりしに、今宵、方のふたがりければ、方違へになむ行く。まだ明けざらむに帰りぬべし。必ずいふべきことあり。いたう叩かせで待て」とのたまへりしかど、「局に一人はなどてあるぞ。ここに寝よ」と、御匣殿の召したれば、参りぬ。

検:かへる年の二月廿日よ日

 

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