枕草子を現代語訳したり考えたりしてみる

清少納言の枕草子を読んでいます。自分なりに現代語訳したり、解説したり、感想を書いています。専門家ではないので間違っていたらすみません。ご指摘・ご教授いただけると幸いです。私自身が読む、という前提ですので、初心者向けであって、何よりもわかりやすい、ということを意識しているのですがいかがでしょうか。最初から読みたい!という奇特な方は「(PC版)リンク」から移動してください。また、検索窓に各段の冒頭部分や文中のワードを入れて検索していただくと、任意の段をご覧いただけると思います(たぶん)。

あぢきなきもの

 しょーもないもの。わざわざ自分から思い立って宮仕えに出たのに、気持ちが塞いじゃって、お勤めが面倒だなぁって思うようになってるヒト。養子の顔が不細工なの。気が進まない人を、無理やりお婿さんにしておいて、思ってたのと違うわぁ、って嘆いてるのもね。


----------訳者の戯言---------

「あぢきなし」はご存知の方も多いと思いますが、思うようにならない、おもしろくない、つまらない、という意味のようです。今の「味気ない」という感じではなさそうですね。

養子のことを昔は「取り子(とりこ)」と言ったらしいです。

けど、顔のこと言うかなーと思います。以前、藤原行成とのやりとり(「職の御曹司の西面の立蔀のもとにて②」)の中で、自分のことを「すっごいブスだから、『さあらむ人をばえ思はじ(そんな人は好きにはなれないのさ)』っておっしゃってた人に顔を見せるなんて、私できないわ」と卑下していた本人なんだから、こんなこと言っちゃあいけません。

しかしまあ、度々出てはきますけど、当時からルックスというのは重要な要素ではあったようです。よく、「御簾越しの恋」とか言いますけど、最終的には顔を合わせますからね。やっぱりそうなんですね。


【原文】

 味気(あぢき)なきもの わざと思ひ立ちて宮仕へに出で立ちたる人の、物憂がり、うるさげに思ひたる。養子(とりこ)の顔憎げなる。しぶしぶに思ひたる人を、強ひて婿取りて、思ふさまならずと嘆く。


検:味気なきもの