枕草子を現代語訳したり考えたりしてみる

清少納言の枕草子を読んでいます。自分なりに現代語訳したり、解説したり、感想を書いています。専門家ではないので間違っていたらすみません。ご指摘・ご教授いただけると幸いです。私自身が読む、という前提ですので、初心者向けであって、何よりもわかりやすい、ということを意識しているのですがいかがでしょうか。最初から読みたい!という奇特な方は「(PC版)リンク」から移動してください。また、検索窓に各段の冒頭部分や文中のワードを入れて検索していただくと、任意の段をご覧いただけると思います(たぶん)。

馬は

 馬は、真っ黒だけどほんの少しだけ白いところがあるのがいいわね。黒栗毛で模様が入ってる馬、葦毛の馬も。薄紅梅の毛色だけどたてがみと尻尾は真っ白なの。まさに「ゆうがみ(ゆふかみ/木綿髪)」とも言えそうね!
 黒くって四本の脚が白いのもとっても素敵なの。


----------訳者の戯言---------

紫というのは紫騮という黒栗毛の馬のことだと思われます。紫騮馬とか紫騮駒というのが漢文に出てきます。清少納言なら多分知っているでしょう。ここに書いてあるのは黒栗毛で、模様が入ってる馬だと思われます。

葦毛(芦毛)の馬はごぞんじのとおり白っぽい灰色です。すでに伝説になっているオグリキャップというすごい芦毛の馬がいました。もちろんサラブレッドですが。さすがに枕草子に書かれている馬はサラブレッドやアラブではありません。日本在来馬で、小型の馬です。種類としてはポニーに属するらしいですね。

薄紅梅ってピンクですから、たぶん薄い赤茶色なのでしょう。具体的にはどんなのを指すのかはよくはわからないです。

今回は「好きな馬、いかしてる馬」です。ああ当時はそうだったのかなーという感じです。感動が少なくてすみません。


【原文】

 馬は いと黒きが、ただいささか白き所などある。紫の紋つきたる。葦毛。薄紅梅の毛にて、髪・尾などいと白き。げに「ゆふかみ」とも言ひつべし。

 黒きが、足四つ白きも、いとをかし。

 

新編日本古典文学全集 (18) 枕草子

新編日本古典文学全集 (18) 枕草子