2019-05-01から1ヶ月間の記事一覧
いっぱい寝て、起きて自分の部屋に戻ったら、「昨日の晩、どなたかがすごく戸を叩かれたから、やっとのことで起き上がって応対したところ、『上に行っていらっしゃるのですか、だったら、かくかくしかじか申し上げてくれないかな』ってことだったんですけど…
翌年の二月二十日を過ぎた時、定子さまが職の御曹司にお出かけになるお供をせずに、私が梅壺に残っていた次の日、頭の中将(藤原斉信)からお手紙が来て、「昨日の夜、鞍馬寺に参詣しに来たのだけど、今夜は方角が悪いので、方違えするつもりです。夜明け前…
そうして、おしゃべりなんかしていたら、「ちょっと」って中宮さまに呼ばれたから、御前に参上したところ、ちょうどこの件をお話しなさってるところだったの。「帝がこちらにおいでになって、お話して聞かせてくださったの。男の人たちはみんなあの返歌を扇…
みんな寝てしまって、翌日は早朝から局に下がってたんだけど、中将の源宣方の声で「ここに『草の庵』はいます?」って、大げさに言ってきたもんだから、「変なのー。なんでそんなみすぼらしげな者がいるっていうの? いないわよ。『玉の台(うてな)』って言…
蘭省花時錦帳下 って書いて、「これに続く後の句はどうでしょうか?」と書いてあるんだけど、どうやって返事すべきなんでしょ。中宮さまがいらっしゃったらお見せして相談もするんだけど、これ、いかにも知った風な顔で、下手な漢字を書いたりしても、かなり…
女房たちはみんな長押の下で、灯を近くに取り寄せて、「扁つき」の遊びをしているのよ。「まあ、うれしい。早くおいでなさい」なんて、私を見つけて言うんだけど、私はガッカリな気分になって、何で参上しちゃったんだろうって思ったの。炭櫃(火鉢)のそば…
頭の中将(藤原斉信)がいい加減な嘘っぱち話を聞いて、めちゃくちゃ私のことをdisってね、「『どうして一人の人として認めて誉めてたんだか』なんて、殿上の間でめちゃくちゃヒドいコトおっしゃってたんだ」って。そんなの聞いたりするだけでも、恥ずかしく…
御仏名の次の日、地獄絵の屏風を持ってきて、帝が中宮さまにご覧に入れて差し上げたの。これ以上ないっていうぐらいハンパなく超恐怖でね。中宮さまは「これ見て、これ見てみ」っておっしゃるんだけど、「もうこれ以上見れませんー」って、めっちゃ怖すぎで…
気持ちよさげにしてるものっていうと、卯杖を携えた法師。御神楽の人長。神楽の振幡とかを持ってる人。 ----------訳者の戯言--------- 卯杖の法師って何?で、まず卯杖です。「正月初の卯の日に、魔よけの具として用いる杖」とデジタル大辞泉にありました。…
しょーもないもの。わざわざ自分から思い立って宮仕えに出たのに、気持ちが塞いじゃって、お勤めが面倒だなぁって思うようになってるヒト。養子の顔が不細工なの。気が進まない人を、無理やりお婿さんにしておいて、思ってたのと違うわぁ、って嘆いてるのも…