枕草子を現代語訳したり考えたりしてみる

清少納言の枕草子を読んでいます。自分なりに現代語訳したり、解説したり、感想を書いています。専門家ではないので間違っていたらすみません。ご指摘・ご教授いただけると幸いです。私自身が読む、という前提ですので、初心者向けであって、何よりもわかりやすい、ということを意識しているのですがいかがでしょうか。最初から読みたい!という奇特な方は「(PC版)リンク」から移動してください。また、検索窓に各段の冒頭部分や文中のワードを入れて検索していただくと、任意の段をご覧いただけると思います(たぶん)。

ただ過ぎに過ぐるもの

 すぐ過ぎてっちゃうもの。帆をかけた舟。人の年齢。春、夏、秋、冬。


----------訳者の戯言---------

まあそうですかねぇ、という感想しかありません。

兼好法師「徒然草」第百五十五段では物事の「タイミングとスピード」について書いています。結論めいたものは「死を意識しつつ生きる」という仏教的メッセージにはなるものの、それなりの内容がありました。

なのに清少納言はただ、すぐ過ぎてくものね、あっと言う間のものあるよね、としか書いてないし、そのネタも舟と人の歳と四季だけで、これもう誰でも思うことじゃないですか。あまりにも芸が無さ過ぎてあきれてしまいました私。

その点、兼好は「第七十四段 蟻のごとくに集まりて」では、まるでボブ・ディランの歌詞のようなメッセージも書いています。

共感できるかどうかは別として、「過ぎて行くもの」について、それぞれで彼なりの解釈がしっかりと表されています。

清少納言ももう少しがんばってほしかったですね。


【原文】

 ただ過ぎに過ぐるもの 帆かけたる舟。人の齢(よはひ)。春、夏、秋、冬。