ただ過ぎに過ぐるもの
すぐ過ぎてっちゃうもの。帆をかけた舟。人の年齢。春、夏、秋、冬。
----------訳者の戯言---------
まあそうですかねぇ、という感想しかありません。
兼好法師も「徒然草」第百五十五段では物事の「タイミングとスピード」について書いています。結論めいたものは「死を意識しつつ生きる」という仏教的メッセージにはなるものの、それなりの内容がありました。
なのに清少納言はただ、すぐ過ぎてくものね、あっと言う間のものあるよね、としか書いてないし、そのネタも舟と人の歳と四季だけで、これもう誰でも思うことじゃないですか。あまりにも芸が無さ過ぎてあきれてしまいました私。
その点、兼好は「第七十四段 蟻のごとくに集まりて」では、まるでボブ・ディランの歌詞のようなメッセージも書いています。
共感できるかどうかは別として、「過ぎて行くもの」について、それぞれで彼なりの解釈がしっかりと表されています。
清少納言ももう少しがんばってほしかったですね。
【原文】
ただ過ぎに過ぐるもの 帆かけたる舟。人の齢(よはひ)。春、夏、秋、冬。