枕草子を現代語訳したり考えたりしてみる

清少納言の枕草子を読んでいます。自分なりに現代語訳したり、解説したり、感想を書いています。専門家ではないので間違っていたらすみません。ご指摘・ご教授いただけると幸いです。私自身が読む、という前提ですので、初心者向けであって、何よりもわかりやすい、ということを意識しているのですがいかがでしょうか。最初から読みたい!という奇特な方は「(PC版)リンク」から移動してください。また、検索窓に各段の冒頭部分や文中のワードを入れて検索していただくと、任意の段をご覧いただけると思います(たぶん)。

つれづれなるもの

 手持ち無沙汰で退屈なもの。自宅じゃなく他所に移ってやる物忌み。駒が進まない双六(すごろく)。除目で官職を得られなかった人の家。雨が降ってるのは、なおさらすごく所在なげなのよね。


----------訳者の戯言---------

やることがなくて暇。とか、手持ち無沙汰、退屈とか、そういう意味です。つれづれなるままに日暮らし、と書いたのは吉田兼好ですが、まさにあれですね。

物忌みというと、災厄から免れるため、一定期間食事や行動を慎み、不浄を避けて家の中にこもることをいいます。時代的には平安時代の貴族の間で最も流行したようです。

ぽわ~んとしてる感じですか。それとも、あくびが出る感じでしょうか。ヒマ過ぎて、やることがなくて、しかも任官できないとかだし、少しイライラッとしてる感じもなくはありません。
物忌みとか除目っていうのは、そこそこの緊張感や高揚感もあるべきものですから、そこで退屈を感じるのは決して愉快ではないですからね。むしろ不快。

あまりよく知らない人の送別会になぜか呼ばれたりとかね。今の季節だと、いっしょに行った人以外誰も知らない新年会とか、ほんとにつらいです。


【原文】

 つれづれなるもの 所去りたる物忌。馬下りぬ双六(すぐろく)。除目に司得ぬ人の家。雨うち降りたるは、まいていみじうつれづれなり。

 

枕草子―付現代語訳 (上巻) (角川ソフィア文庫 (SP32))

枕草子―付現代語訳 (上巻) (角川ソフィア文庫 (SP32))