細太刀に平緒つけて
細太刀に平緒をつけて、スキッとこぎれいな男が持って通っていくのも優美だわ。
----------訳者の戯言---------
細太刀。飾り太刀を簡略化して作った、儀仗(ぎじょう)用の細い太刀。とありますから、儀式なんかに使ったやつですね。本物の武器としては使わないやつです。
「平緒」というのは、幅広く平たい帯状の組緒で、束帯のときに佩用(はいよう=身体に着けて用いる)する儀仗(ぎじょう)の太刀の緒として使い、腰に巻いて結び余りを前に垂らした。とコトバンクにありました。
ついこの間、「なまめかしきもの」の段でも書いたのですが、「優美」「優艶」などというと、少しウェットなというか、しっとり感のあるニュアンスですが、ワタクシ的には、「なまめかしきもの」は、結構爽やかな印象です。暑苦しくないというか、涼し気な、上品なキレイさを感じますね。まあ主観なんですが。
しかし、この段、短いですね。「なまめかしきもの」の段に書き忘れてたことを思いついて書いた、みたいな感じです。短いのは楽なのでいいんですが。
【原文】
細太刀に平緒つけて、清げなる男の持てわたるもなまめかし。