枕草子を現代語訳したり考えたりしてみる

清少納言の枕草子を読んでいます。自分なりに現代語訳したり、解説したり、感想を書いています。専門家ではないので間違っていたらすみません。ご指摘・ご教授いただけると幸いです。私自身が読む、という前提ですので、初心者向けであって、何よりもわかりやすい、ということを意識しているのですがいかがでしょうか。最初から読みたい!という奇特な方は「(PC版)リンク」から移動してください。また、検索窓に各段の冒頭部分や文中のワードを入れて検索していただくと、任意の段をご覧いただけると思います(たぶん)。

細太刀に平緒つけて

 細太刀に平緒をつけて、スキッとこぎれいな男が持って通っていくのも優美だわ。


----------訳者の戯言---------

細太刀。飾り太刀を簡略化して作った、儀仗(ぎじょう)用の細い太刀。とありますから、儀式なんかに使ったやつですね。本物の武器としては使わないやつです。

「平緒」というのは、幅広く平たい帯状の組緒で、束帯のときに佩用(はいよう=身体に着けて用いる)する儀仗(ぎじょう)の太刀の緒として使い、腰に巻いて結び余りを前に垂らした。とコトバンクにありました。

ついこの間、「なまめかしきもの」の段でも書いたのですが、「優美」「優艶」などというと、少しウェットなというか、しっとり感のあるニュアンスですが、ワタクシ的には、「なまめかしきもの」は、結構爽やかな印象です。暑苦しくないというか、涼し気な、上品なキレイさを感じますね。まあ主観なんですが。

しかし、この段、短いですね。「なまめかしきもの」の段に書き忘れてたことを思いついて書いた、みたいな感じです。短いのは楽なのでいいんですが。


【原文】

 細太刀に平緒つけて、清げなる男の持てわたるもなまめかし。

 

『枕草子』の歴史学 春は曙の謎を解く (朝日選書)