夜烏どものゐて
夜烏たちが木にとまってて、夜中頃に寝ぼけて騒いでるの。木から落ちそうになって慌てて、枝づたいに歩いて、寝起きの声で鳴くのは、昼間の様子とは違ってて面白いわね。
----------訳者の戯言---------
私だけの感想に違いないんですが、これはイーハトーブの風景、だと思いました。
まさか、枕草子を読んで宮沢賢治を思い出すとは意外でしたね。
全然関係ありませんが、私、明治(~昭和)時代の作家の中では、宮沢賢治をかなり好きでして、クリエイターとして稀有な天才の一人だとも思っています。
また「慾ハナク決シテ瞋ラズ」や「ホメラレモセズクニモサレズ」を理想とした迷いのない清廉な在りように柄にもなく共感したり、意外にも心を洗われたりしているのでございます。生き方に迷ったら「雨ニモマケズ」を読むのですよ。なーんてね。
【原文】
夜烏(よがらす)どものゐて夜中ばかりにいね騒ぐ。落ちまどひ、木づたひて寝起きたる声に鳴きたるこそ、昼の目にたがひてをかしけれ。