卯の花がすごくいっぱい咲いてるのを手折って、牛車の簾や側面なんかに挿して、余ったのを屋根や棟なんかに長い枝を葺いたように挿したら、卯の花の垣根を牛に掛けたみたいに見えたわ。お供の下男たちもめちゃくちゃ笑いながら、隙間に「ここがまだだ、ここ…
目的地は、高階明順(たかしなのあきのぶ)朝臣の家だったの。「そこも見物しましょ!」って私が言って車を寄せて下りたのね。田舎風で、よけいな装飾もなくって、馬の絵が描かれた障子、網代張りの屏風、三稜草(みくり)の簾なんかで、特別に昔の雰囲気を…
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