枕草子を現代語訳したり考えたりしてみる

清少納言の枕草子を読んでいます。自分なりに現代語訳したり、解説したり、感想を書いています。専門家ではないので間違っていたらすみません。ご指摘・ご教授いただけると幸いです。私自身が読む、という前提ですので、初心者向けであって、何よりもわかりやすい、ということを意識しているのですがいかがでしょうか。最初から読みたい!という奇特な方は「(PC版)リンク」から移動してください。また、検索窓に各段の冒頭部分や文中のワードを入れて検索していただくと、任意の段をご覧いただけると思います(たぶん)。

仏は

 仏はっていうと。如意輪観音。千手観音。いや六観音全部ね。薬師如来。釈迦如来弥勒菩薩地蔵菩薩文殊菩薩不動尊不動明王)。普賢菩薩


----------訳者の戯言---------

如意輪観音ですね。「如意」とは意のままに智慧や財宝、福徳をもたらす如意宝珠という宝の珠のことだそうです。「輪」は煩悩を打ち砕く法輪を指しています。その2つを手に持った観音菩薩ということで、如意輪観音と言うんですね。
観音様は先にも書いたとおり、菩薩の一人です。


千手観音。
別名、千手千眼観自在菩薩(せんじゅせんげんかんじざいぼさつ)などとも言い、生きとし生けるものすべてを漏らさず救う、大いなる慈悲を表現する菩薩です。千の手と手のひらの千の眼によって悩み苦しむ衆生を見つけては手を差し伸べる広大無限な功徳と慈悲から「大悲観音」、または観音の王を意味する「蓮華王」とも言われるそうですね。


観音さまは、観世音菩薩、観音菩薩、観自在菩薩などと呼ばれています。
で、観音さまですが、上にも書いたように、たくさんの種類がいらっしゃるんですね。どゆこと?って思ったら、その都度、目的や対象に応じて変化(へんげ)してるようなのです。
六道というのがありまして、 地獄、餓鬼、畜生、修羅、人、天、畜生、の六つなんですが、この六道にはそれぞれ担当の観音さまがいて、その世界から救ってくれるとい う信仰がありました。観音さまはまあ一人なんですが、先のも書いたとおり変化(へんげ)しまして、それが六観音とか、七観音とか言われるものなのです。
ざっと言うと、地獄界→①聖観音 餓鬼界→②千手千眼観音 修羅界→③十一面観音 天界→④如意輪観音 人界→⑤准胝観音不空羂索観音) 畜生界→⑥馬頭観音 だそうです。先に如意輪観音と千手観音は出ていますね。人界の担当については、天台宗不空羂索観音真言宗准胝観音だそうです。

で、数がどんどん増えて、三十三観音というのもあります。基本は六観音ですが、それを33に増幅させた感じです。こうなると、わけがわからないというか、AKB48とか乃木坂46の世界です。観音菩薩人気が高かったからこうなったんでしょうか。

けど、他の菩薩の立場がないですよね。それでも、菩薩でもまあまあ人気のあるキャラはいます。キャラ!って失礼過ぎますけど、仏様に。後で出てくる弥勒菩薩地蔵菩薩文殊菩薩なんかがそうですね。
今は単体アイドルは育たない時代と言われます。おそらく、歌で売れるのが難しい時代なのでしょう。グループでやらないと、つまりグループの総合力で売るというやり方です。ペイしないんでしょう、今世紀に入って収益構造が変わってしまったのでしょうね。単体はイチかバチかですから。それよりもちょっとかわいい子は女優にする、と。浜辺美波今田美桜、ちょっと前なら広瀬すず有村架純とかでしょうか。女優のほうが、事務所も計算できるのでしょう。松田聖子とか小泉今日子南野陽子のような天才が出てくれば別なんでしょうけどね。
観音さまが乃木坂だとすると、弥勒菩薩、お地蔵さん、文殊菩薩普賢菩薩は、浜辺美波今田美桜広瀬すず有村架純ということになるのでしょう、今なら。何でアイドルにたとえてるねんて話ですが。

菩薩というのは、お釈迦様が修行中で王子だった頃の姿が原形なので、冠、首飾り、イヤリングとかの装飾品を身に付けています、髪型はちゃんと結われてます。


薬師如来はすぐ前の段でも書きましたが、メディカル系の仏様です。病を治す功徳の力は薬師如来が随一と言われていて、人気が高い仏様なんですね。


釈迦仏=釈迦牟尼仏というのは、お釈迦様が仏になったもの=釈迦如来です。「お釈迦さま」と言いますが、実は釈迦族の王子だったガウタマ・シッダールタという人のことなのですね。「お釈迦さま」とか「釈迦牟尼」とかいうのは通称と言うか、ニックネームというか、です。で、しかも忘れがちですが、中国の人ではなく、インドの北のあたりの人だそうですよ。

如来さま」という存在もたくさんいらっしゃいますが、お釈迦様が悟りを開いた後の姿が基本と言われています。なので結構質素な姿。髪型はぽつぽつの渦巻き状の、例のヘアースタイルです。


弥勒菩薩は、仏となることを約束されているため、弥勒仏とか弥勒如来と呼ばれることもあります。未来仏とかとも言われるようですね。釈迦が亡くなられてから56億7千万年後に仏となりこの世に現れるそうです。どんだけ先やねん、という話です。地球ができてから46億年ですからね。その地球の歴史を1年にたとえると人類が生まれたのは、大みそかの夜です。なので、再来年の春ぐらいですよ。短いのか長いのか全然わからない例えですみません。
56億7千万年後にたぶん人類はいないと思いますが、そんなことは関係ありませんね。仏ですから。

仏像としては、右手の指を頬に当てて物思いにふけるような感じの半跏思惟像(はんかしいぞう)が多く作られられています。個人的にはこれ、姿としては美しいと思いますね。


地蔵菩薩は、平たく言うと、「お地蔵さん」ですが、大地が全ての命を育む力を蔵するように、苦悩の人々を、その無限の大慈悲の心で包み込んで、救うのだと。なんか、漢字の当て字というか、こじつけっぽいけど。そんなこと言ってはいけません。
ただ、日本では、道祖神(道にいる神様)というか、その地域の守り神的な役割を担っていて、特に子どもの守り神として信じられてます。
昔は、交通の便とかも良くなかったし、清少納言のような貴族は寺社に参詣もできたけれど、貧しい人々はそれも叶わなかったわけで、地域のお地蔵さま(辻地蔵などとも言います)に祈れば、願いを叶えてもらえたり、病気を治してもらえたり、と信じられたんですね。
よく「〇〇地蔵」とか、ありますものね。童話とかでも。


文殊菩薩といえば、「三人寄れば文殊の知恵」と言われます。そんな頭の良くない人でも三人集まって相談すれば、なんとかいい知恵が浮かぶと。文殊菩薩は知恵をつかさどる菩薩さまなのです。結構、ポピュラーですね。


不動尊というのは、不動明王のことです。密教特有の仏様で、仏様っていうのは、如来、菩薩、明王、というふうにカテゴライズされてますが、その中の「明王」のうちの一人がこの「不動明王」ということになります。明王もたくさんいらっしゃるようですが、そのリーダー格だと思います。実際、私、明王は「不動明王」しか知りませんでした。お笑いにおける明石家さんま的な。いや違いますか。ダウンタウン松本かな。フリーアナウンサー界における有働さんですか。余計にわからなくなりましたね。

不動明王は、密教の根本尊である大日如来の化身であると見なされているそうです。不動明王の字面を見ると、思い起こされるのは、はい、昭和世代の方ならごぞんじの「不動明」、そう、永井豪の名作中の名作「デビルマン」の主人公です。「デビルマン」自体は、仏教ではなくむしろキリスト教的であり、黙示録、創世記、最終戦争といった要素が反映されています。ただ、明らかに不動明の名前だけは不動明王から連想している感じですね。

実際、不動明王の像を見ると、怒りの表情をしていて、仏法の障害となるものに対しては怒りを持って屈服させ、仏道に入った修行者には常に守護するというスタンスの仏様だと理解できます。こういう二面性という点において、「デビルマン」の不動明命名されるに至ったのかもしれません。


やはり、話がそれてしまいましたね。ごめんなさい。

最後は、普賢菩薩です。すぐ前の段でも出てきました。普賢菩薩は、文殊菩薩とともに釈迦如来の両脇に控える脇侍(きょうじ)として祀られることが多い菩薩ということでしたね。この3人の仏像を釈迦三尊像とか言うようです。普(あまね)く賢い者、つまりあまねく現れて、仏の慈悲と理智をあらわして人々を救う賢者っていうことなのですね。あまねく、という言葉は、広く、全体的にという意味なんですが、時間的な広がりも表しているんですね。

普賢というと、どうしても雲仙の普賢岳を連想します。1991年に雲仙普賢岳が噴火して、大きな火砕流が発生しました。42人が亡くなったという大きな災害となりました。
実はおよそ200年前、江戸時代にも普賢岳は噴火しています。さらにさかのぼること数十年らしいんですが、この山に普賢菩薩を祀る祠が建立されたそうです。それが普賢岳命名の由来なのだとか。普賢菩薩も自然災害には抗うことができなかったのでしょうか。


というわけで、いかした仏様、という段です。ビジュアルで言ってるのか、本質的なところで言ってるのかはよくわかりません。

大まかに仏様を分類すると、如来、菩薩、明王、天部、その他となるそうです。

如来は、悟りを開いた後の姿をしています。釈迦如来大日如来阿弥陀如来薬師如来あたりが有名です。

菩薩は、お釈迦さまが修行中で王子だった頃の姿が原形なのだそうです。冠、首飾り、イヤリングなど装飾品を身に付けています。お地蔵さま以外、髪型は高く結い上げています。地蔵菩薩弥勒菩薩文殊菩薩観音菩薩普賢菩薩日光菩薩月光菩薩虚空蔵菩薩などが有名です。

明王は、如来が姿を変えて人々を救うために必死になっている姿、仏法の障害となるものに対しては怒りを持って屈服させる、という体(てい)でやってますので、すごい形相になってます。この段でも出てきましたが、不動明王とか、あと愛染明王あたりがメジャーです。

天部は、ここでは出てきませんでしたが、古代インドの神々が土台となって生まれた仏様です。弁財天、大黒天、毘沙門天、吉祥天、韋駄天、帝釈天などです。昨年の大河で「いだてん」というのがありましたが、あれも仏様なんですね。

で、弁財天、いわゆる弁天さまとか、大黒さまとかで七福神というのがまた別にありますが、ここに出て来た仏教のほかに、ヒンズー教道教神道といったいろいろな宗教の神様で構成されているんですね。こういう信仰って、日本ならではのような気がします。

で、話をもとに戻しますが、仏様。前の段に続いて、清少納言、信仰心薄弱な割にいろいろ書いてます。理由とかも書いてくれたらいいんですが、意図はよくわかりません。


【原文】

 仏は 如意輪。千手、すべて六観音。薬師仏。釈迦仏。弥勒(みろく)。地蔵。文殊不動尊。普賢。

 

枕草子 いとめでたし!

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