枕草子を現代語訳したり考えたりしてみる

清少納言の枕草子を読んでいます。自分なりに現代語訳したり、解説したり、感想を書いています。専門家ではないので間違っていたらすみません。ご指摘・ご教授いただけると幸いです。私自身が読む、という前提ですので、初心者向けであって、何よりもわかりやすい、ということを意識しているのですがいかがでしょうか。最初から読みたい!という奇特な方は「(PC版)リンク」から移動してください。また、検索窓に各段の冒頭部分や文中のワードを入れて検索していただくと、任意の段をご覧いただけると思います(たぶん)。

女のひとりすむ所は

 女性が一人で住むところは、すごく荒れていて、屋根付きの築土塀とかだってカンペキに整ってなくて、池なんかあるところにも水草が生えてて、庭なんかも蓬が生い茂るっていうほどじゃないけど、ところどころ砂の中から青い草が見えて、寂しそうなくらいのほうが情緒があって素敵だわ! しっかりしてる感じで、体裁よく手入れが行き届いてて、戸締りは厳重にして、キッチリしてるの、逆にめっちゃキモッて思うのよね。


----------訳者の戯言---------

汚部屋女子。

築土(ついじ)というのは、屋根付きの土塀だそうです。
前に「人にあなづらるるもの」という段がありました。端的に言うと「人に馬鹿にされるもの」で、そこに「築土のくづれ」と出てました。
清少納言的には、築土塀が崩れてるのは、馬鹿にされるものではあると。しかしこの段では、女性の一人暮らしの場合はOKと? ややこしい人です。

むしろ女子の一人暮らしの場合は、荒れてて、ケア出来てない感じのほうが好ましいようですね。
逆にあんまりキッチリしてる女子はアカンらしいです。ちょっと抜けてるくらいのほうがいい、ということでしょうか。ま、それも一理はあるんですけれどもね。なんか疲れるしーということですか。
想像ですが、もしかすると清少納言自身、苦手だったのかもしれません、整理整頓とか。自己正当化?

というわけで、「汚部屋女子」ですが、「メシマズ女子」とどっちがいいか?という究極のアンケートをしたところ、「メシマズ女子」の方がまだマシとした男子が88%だったらしいです。
清少納言的には気に入らないと思いますが、現実はそういうもんですよ。


【原文】

 女の一人住む所は、いたくあばれて築土(ついひぢ)なども全(また)からず、池などある所も水草ゐ、庭なども蓬に茂りなどこそせねども、ところどころ砂(すなご)の中より青き草うち見え、さびしげなるこそあはれなれ。ものかしこげに、なだらかに修理(すり)して、門(かど)いたく固め、きはぎはしきは、いとうたてこそおぼゆれ。