うらやましげなるもの①
うらやましいっぽいもの。お経なんかを習おうって時、すごくたどたどしくて、忘れがちで、返す返すおんなじ所を読経するんだけど、お坊さんは当たり前!でも、男でも女でもすらすらっと簡単に読んじゃうのは、あんな感じにいつの世にかなれたらなーって思うわ。気分が悪くなって寝込んでる時に、すごく笑って、おしゃべりなんかして、何も考え無しに歩き回る人を見ると、ものすごくうらやましいのよね。
----------訳者の戯言---------
なるほど、お経をすらすら読めるのがうらやましいんですね。
現代なら、カラオケ行ったときに歌が上手い人とか、意外なところで楽器を披露する人とか。英語を流ちょうに話すとかですか。
あと、病気で寝ている時に、元気で動き回ってる人がうらやましい、と。
まずは、ジャブというか、意外と慎ましい「うらやましげ」ですね。この後、どういうネタが出てくるんでしょうか。②に続きます。
【原文】
うらやましげなるもの 経など習ふとて、いみじうたどたどしく忘れがちにかへすがへす同じ所を読むに、法師はことわり、男も女も、くるくるとやすらかに読みたるこそ、あれがやうにいつの世にあらむとおぼゆれ。心地などわづらひてふしたるに、笑うち笑ひ、ものなど言ひ、思ふことなげにてあゆみありく人見るこそ、いみじううらやましけれ。