枕草子を現代語訳したり考えたりしてみる

清少納言の枕草子を読んでいます。自分なりに現代語訳したり、解説したり、感想を書いています。専門家ではないので間違っていたらすみません。ご指摘・ご教授いただけると幸いです。私自身が読む、という前提ですので、初心者向けであって、何よりもわかりやすい、ということを意識しているのですがいかがでしょうか。最初から読みたい!という奇特な方は「(PC版)リンク」から移動してください。また、検索窓に各段の冒頭部分や文中のワードを入れて検索していただくと、任意の段をご覧いただけると思います(たぶん)。

きよげなる男の

 清潔感のあるきれいな男子が双六を一日中やって、それでも飽き足らず、低い燈台に火を灯して、すごく明るく燈心をかきあげて、敵がサイコロに祈りをかけてすぐには入れないもんだから、筒を盤の上に立てて待ってるんだけど、狩衣の襟が顔にかかるから片手で押し込んで、堅くはない烏帽子の先を後ろに振りのけながら、「賽にそんなにおまじないをかけても、ハズレの目が出るもんだろうかな??」って、待ち遠しそうに見守ってる様子は、誇らしげに見えるわね。


----------訳者の戯言---------

清げなる男。千葉雄大とか、吉沢亮とかですか。EXILE系ではないですね、絶対。

双六(すごろく)は、「つれづれなぐさむもの」にも書いた通り、「盤双六」というもののようですね。バックギャモンに近いゲームだそうです。

かっこいい男子の様子を観察して悦に入ってるんでしょうか。やっぱ男前は何やってもええわ~、って感じですね。そういう段だと思います。


【原文】

 清げなる男(をのこ)の、双六を日一日うちて、なほあかぬにや、短かき灯台に火をともしていと明かうかかげて、かたきの賽を責め請ひて、とみにも入れねば、筒(どう)を盤の上に立てて待つに、狩衣のくびの顔にかかれば、片手しておし入れて、こはからぬ烏帽子ふりやりつつ、「賽いみじく呪ふとも、うちはづしてむや」と、心もとなげにうちまもりたるこそ、ほこりかに見ゆれ。

 

現代語訳 枕草子 (岩波現代文庫)

現代語訳 枕草子 (岩波現代文庫)