枕草子を現代語訳したり考えたりしてみる

清少納言の枕草子を読んでいます。自分なりに現代語訳したり、解説したり、感想を書いています。専門家ではないので間違っていたらすみません。ご指摘・ご教授いただけると幸いです。私自身が読む、という前提ですので、「わかりやすい」「初心者向け」となっているとは思いますがいかがでしょうか。最初から読みたい!という奇特な方は「リンク」から移動してください。また、検索窓に各段の冒頭部分や文中のワードを入れて検索していただくと、任意の段をご覧いただけると思います(たぶん)。

職の御曹司におはします頃、西の廂にて⑪ ~そのほども~

 その時だって、あの雪山のことが気になるから、宮仕えの女官、洗濯や湯殿の清掃担当女子スタッフ、雑務担当女子スタッフなんかを使って、絶えず見張りに行かせてたの。七日の節句のお下がりまであげたから、木守(=庭師)が拝んで感謝してたことなんかも、みんなで笑い合ってたのよ。

 里帰りしてる時も、毎日、夜が明けたらすぐ、この雪山こそ最重要マターってことで、使いを送って見に行かせてたの。十日頃、「あと五日ほどは残ってるでしょう」って言うから、当たったー!ってうれしく思ったわ。で、また昼も夜も人を遣わして様子を見に行かせてたんだけど、14日の夜、雨がすごく降ったから、これで雪山が消えちゃうんじゃないかって、あと一日か二日待てないものー?って夜も起きてめっちゃ嘆いてたら、それを聞いた人は「こりゃイカれてるわー」って笑ってたのよね。誰かが出ていく時、私もそのまま起きてたから、下働きのスタッフを起こそうとしたんだけど、全然起きないから、めちゃくちゃ腹立ってね、ようやく起き出してきたから見に行かせたら、「円座くらいのが残ってます。木守がすごくしっかりガードして、子どもも寄せつけなかったんですね。『明日か明後日までは残っているでしょう。ご褒美をいただきたいです』って申してましたよ」って言うから、とってもうれしくってね、早く明日になったら、歌を詠んで、容器に残った雪を入れて、定子さまのところに持って参ろう!って思うの。すごく待ち遠しくって落ち着かなくて、やりきれないのだわ。


----------訳者の戯言---------

「円座」は、敷物の一種。「 Weblio古語辞典」によると、藁、がま、すげ、まこもなどを渦巻き状に平らに編んで作ったもの。だそうです。座布団みたいなものでしょう。

どうやら、清少納言の予想が当たった!お見事!みたいな展開です。
⑫に続きます。


【原文】

 そのほども、これが後ろめたければ、おほやけ人、すまし、長女(をさめ)などして、たえずいましめにやる。七日の節供(せく)のおろしなどをさへやれば、拝みつることなど笑ひあへり。

 里にても、まづ明くるすなはち、これを大事にて見せにやる。十日のほどに、「五日待つばかりはあり」といへば、うれしくおぼゆ。また昼も夜も遣るに、十四日夜さり、雨いみじう降れば、これにぞ消えぬらむといみじう、いま一日(ひとひ)二日も待ちつけでと、夜も起きゐて言ひ嘆けば、聞く人も、「ものぐるほし」と笑ふ。人の出でて行くに、やがて起きゐて、下衆(げ<す>[に])起こさするに、さらに起きねば、いみじうにくみ腹立ちて、起き出でたる遣りて見すれば、「円座(わらふだ)のほどなむ侍る。木守いとかしこう守りて、童(わら<は>)べも寄せ侍らず。『明日、明後日(あさ<て>)までも候ひぬべし。禄たまはらむ』と申す」といへば、いみじううれしくて、いつしか明日にならば歌よみてものに入れて参らせむと思ふ、いと心もとなくわびし


検:職の御曹司におはしますころ、西の廂にて 職の御曹司におはしますころ 西の廂にて 職の御曹司におはします頃西の廂にて 職の御曹司におはしますころ西の廂にて

 

歴史読み 枕草子―清少納言の挑戦状

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