枕草子を現代語訳したり考えたりしてみる

清少納言の枕草子を読んでいます。自分なりに現代語訳したり、解説したり、感想を書いています。専門家ではないので間違っていたらすみません。ご指摘・ご教授いただけると幸いです。私自身が読む、という前提ですので、初心者向けであって、何よりもわかりやすい、ということを意識しているのですがいかがでしょうか。最初から読みたい!という奇特な方は「(PC版)リンク」から移動してください。また、検索窓に各段の冒頭部分や文中のワードを入れて検索していただくと、任意の段をご覧いただけると思います(たぶん)。

正月一日、三月三日は

 1月1日、3月3日は、すごくうららかでした。
 5月5日は、1日中曇りだったの。
 7月7日は、曇ってたけど、夕方になって晴れてきた空に、月がとても明るくて星もたくさん見えたわ。
 9月9日は、明け方から雨が少し降って、菊の花に露がいっぱいで、花を覆った綿なんかもすごく濡れて、花の移り香も際立ってて。早朝には止んだんだけど、まだ曇ってて、ともすると雨粒が落ちてくるように見えるの、それもまたすごくいい感じなのよね。


----------訳者の戯言---------

「菊の着綿(きせわた)」といって、この時代には、9月9月(重陽節句)に菊の花に黄色の真綿を被せて朝露を含ませ、その綿で体を拭くと、無病でいられる、という習慣があったらしいです。

今回は、「節句」の日の天気がそれぞれどうだったか、とか書いてます。しかしそれほど大したことは書いてないですね。


【原文】

 正月一日、三月三日は、いとうららかなる。

 五月五日は、曇り暮らしたる。

 七月七日は、曇り暮らして、夕方は晴れたる空に、月いとあかく、星の数も見えたる。

 九月九日は、暁方より雨少し降りて、菊の露もこちたく、覆ひたる綿などもいたく濡れ、うつしの香ももてはやされて。つとめてはやみにたれど、なほ曇りて、ややもせば降り落ちぬべく見えたるもをかし。