枕草子を現代語訳したり考えたりしてみる

清少納言の枕草子を読んでいます。自分なりに現代語訳したり、解説したり、感想を書いています。専門家ではないので間違っていたらすみません。ご指摘・ご教授いただけると幸いです。私自身が読む、という前提ですので、初心者向けであって、何よりもわかりやすい、ということを意識しているのですがいかがでしょうか。最初から読みたい!という奇特な方は「(PC版)リンク」から移動してください。また、検索窓に各段の冒頭部分や文中のワードを入れて検索していただくと、任意の段をご覧いただけると思います(たぶん)。

2020-03-01から1ヶ月間の記事一覧

とくゆかしきもの

早く知りたいもの。巻染。むら濃、絞り染めなんかにした織物。誰かが子どもを産んだ時には、男の子か女の子かを早く聞きたくって。身分の高い人は言うまでもないけど、身分の低い者、下々の者の場合でも、やっぱ知りたいわね。 除目(じもく)の翌朝早く。知…

うらやましげなるもの④ ~よき人の御前に~

身分の高い方の御前に女房がすごくたくさん侍ってるんだけど、奥ゆかしい方のところにお送りする代筆のお手紙なんかを、誰も鳥の足跡みたいな字で書くことは無いでしょ? なのにね、局に下がってる人をわざわざお呼び出しになって、硯をお渡しになって書かせ…

うらやましげなるもの③ ~女児も、男児も~

女の子も男の子も、お坊さんになった子も、出来のいい子どもを持ってる人は、とてもうらやましいわね。髪がすごく長くて素敵で、髪の毛先なんかがすばらしい人。それから、身分の高い人が、たくさんの人から敬意を持たれ、大切にされていらっしゃるのを見る…

うらやましげなるもの② ~稲荷に思ひおこして詣でたるに~

伏見稲荷大社に思い切って参詣した時、中の御社のあたりでやたら苦しいのを我慢して登ってったんだけど、少しも苦しそうじゃなくって、遅れてやって来るかな?って思ってた人たちが、どんどん先に行ってお参りするのは、めちゃすごいわ。二月の午(うま)の…

うらやましげなるもの①

うらやましいっぽいもの。お経なんかを習おうって時、すごくたどたどしくて、忘れがちで、返す返すおんなじ所を読経するんだけど、お坊さんは当たり前!でも、男でも女でもすらすらっと簡単に読んじゃうのは、あんな感じにいつの世にかなれたらなーって思う…

苦しげなるもの

苦しそうなもの。夜泣きってことをする赤ちゃんの乳母。想う人を二人持って、あっちからもこっちからも嫉妬されてる男。頑固なもののけの調伏を担当してる修験者。祈祷の効き目だけでもすぐにあったらいいんだけど、そうでもなくって、それでも人に笑われな…

えせものの所得る折

つまらないものが幅をきかせる時。正月の大根。行幸の際の姫もうちぎみ。即位の時の御門司(みかどのつかさ)。六月や十二月の末日に開催される節折(よおり)の蔵人。季の御読経の時の威儀師。赤い袈裟を着て、僧の名前を読み上げるのは、すごくキラキラし…

むつかしげなるもの

むさくるしいもの。刺繍の裏。ネズミの毛もまだ生えていない子を巣の中から転がし出したの。裏地をまだつけてない毛皮の衣の縫い目。猫の耳の中。特にきれいなじゃない場所が暗いのもね。 特に大したことのない人が、子どもがたくさんいて、お世話してるの。…

見るにことなることなきものの

見ると特に何ともないんだけど、文字を書いたら大げさなもの。 覆盆子(いちご)。鴨跖草(つゆくさ)。芡(みずふぶき)。蜘蛛。胡桃。文章博士(もんじょうはかせ)。得業の生(とくごうのしょう)。皇太后宮権の大夫(だいふ)。楊梅(やまもも)。 虎杖(…

名おそろしきもの

名前が怖いもの。青淵(あおふち)。谷の洞(ほら)。鰭板(はたいた)。鉄(くろがね)。土塊(つちくれ)。雷(いかずち)は、名前だけじゃなく、めちゃくちゃ恐ろしいわ。暴風(はやち)。不祥雲(ふしょうぐも)。矛星(ほこぼし)。肱笠雨(ひじかさあ…

人ばへするもの

人前で調子に乗ってはしゃぐもの。特に何にもない人の子どもなんだけど、それでも親が甘やかし過ぎてるの。咳。身分が高すぎてこっちが恥ずかしくなるくらいの人にお話ししようとする時に、言葉より先に出るのよね。 あちこちに住む人の子どもで4歳か5歳にな…