枕草子を現代語訳したり考えたりしてみる

清少納言の枕草子を読んでいます。自分なりに現代語訳したり、解説したり、感想を書いています。専門家ではないので間違っていたらすみません。ご指摘・ご教授いただけると幸いです。私自身が読む、という前提ですので、初心者向けであって、何よりもわかりやすい、ということを意識しているのですがいかがでしょうか。最初から読みたい!という奇特な方は「(PC版)リンク」から移動してください。また、検索窓に各段の冒頭部分や文中のワードを入れて検索していただくと、任意の段をご覧いただけると思います(たぶん)。

2020-02-01から1ヶ月間の記事一覧

うつくしきもの

かわいいもの。 瓜に描いた幼児の顔。雀の子が鼠鳴きをして踊りながらやってくるの。2歳か3歳の幼児が急いで這ってくる途中で、すごく小さい塵があるのを目ざとく見つけて、とってもかわいい指で取って、大人たちに見せるのも、すごくかわいらしいわ。ヘアス…

胸つぶるるもの

胸がドキドキするもの。 競馬(くらべうま)の観戦。元結(もとゆい)を撚(よ)るの。親なんかが気分が悪い、って、いつもと違う様子の時。ましてや、流行り病で世間が騒いでるって話が聞こえてくる時なんかは、他には何も考えられなくなるの。それから、ま…

いやしげなるもの

下品っぽいもの。式部の丞の笏(しゃく)。黒い髪の毛筋が悪いの。布屏風の新しいの。古くなって黒く汚れたのは、そんなに語る意味さえないものだから、ぜんぜん何にも気にならないんだけどね。新しく仕立てて、桜の花がいっぱい咲いてる風景を、胡粉(こふ…

きよしと見ゆるもの

きれいに見えるもの。土器。新しい金属製のお椀。畳にする薦(こも)。水を容器に入れるときに透けて見える光の影。 ----------訳者の戯言--------- 土器ですか。土器がキレイでしょうか、ちょっとよくわかりません。マイセンやヘレンドじゃないんですから。…

恐ろしげなるもの

恐ろしげなもの。橡(つるばみ)のかさの部分。焼けちゃってる野老(ところ)。水蕗(みずふぶき)。菱(ひし)。髪の多い男が髪を洗って乾かしてるところ。 ----------訳者の戯言--------- 橡(つるばみ)というのは、クヌギの古名だそうです。また、その実…

碁を、やむごとなき人のうつとて

碁を身分の高い人が打つ時って、衣の紐を解いて無造作な感じで碁石を取って置くんだけど、身分の低い人は座り方からしてかしこまってる感じで、碁盤よりは少し離れて及び腰で、袖の下をもう片方の手で押さえたりなんかして打っているのも、おもしろいわね。 …

きよげなる男の

清潔感のあるきれいな男子が双六を一日中やって、それでも飽き足らず、低い燈台に火を灯して、すごく明るく燈心をかきあげて、敵がサイコロに祈りをかけてすぐには入れないもんだから、筒を盤の上に立てて待ってるんだけど、狩衣の襟が顔にかかるから片手で…

正月十余日のほど

正月の10日を過ぎた頃、空がすごく黒くって、雲も厚く見えながら、でも陽の光は鮮やかに差し込んでたんだけれど、身分の低い者の家の荒畑とかって言う、土がきれいに整えられてないところに、桃の木が若々しくって、細い枝がいっぱい出てるの、片方はすごく…

殿などのおはしまさで後④ ~御返り参らせて~

ご返事をを差し上げて、少し日にちが経ってから参上したんだけど、どうなのかな?っていつもよりは気後れしちゃって、御几帳に半分隠れて侍ってたんだけど、「あそこにいるのは新人さんなの?」なんてお笑いになって、「憎ったらしい歌だけど、こういう時に…

殿などのおはしまさで後③ ~例ならず仰せ言などもなくて~

いつもとは違ってお手紙もいただかずに何日も経ったから、心細くてぼうっとしてたら、長女(おさめ)が手紙を持ってきたの。「定子さまから、宰相の君を通して、こっそりと賜ったものです」って言って、ここに来てさえ、人目を避けようとしてるのってあんま…

殿などのおはしまさで後② ~げにいかならむと~

ほんと、私のことをどう考えていらっしゃるんだろ?って、ご推察申し上げてた…そんな中宮様のご機嫌を損ねたワケじゃなくてね、側に侍ってる女房たちなんかが、「彼女は左大臣(道長)派の人たちと、親しい間柄なのよ」って言って、みんなで集まって話してる…

殿などのおはしまさで後①

関白殿(道隆さま)がお亡くなりになった後、世間では事件が起こり、騒がしくなって、定子さまも宮中に参内なさらなくって、小二条殿っていう所にいらっしゃるんだけど、なんとなく、ますますヤな感じなものだから、私は結構長い間、里の実家にいたのね。で…