枕草子を現代語訳したり考えたりしてみる

清少納言の枕草子を読んでいます。自分なりに現代語訳したり、解説したり、感想を書いています。専門家ではないので間違っていたらすみません。ご指摘・ご教授いただけると幸いです。私自身が読む、という前提ですので、初心者向けであって、何よりもわかりやすい、ということを意識しているのですがいかがでしょうか。最初から読みたい!という奇特な方は「(PC版)リンク」から移動してください。また、検索窓に各段の冒頭部分や文中のワードを入れて検索していただくと、任意の段をご覧いただけると思います(たぶん)。

2020-01-01から1ヶ月間の記事一覧

なほめでたきこと⑤ ~八幡の臨時の祭の日~

「八幡の臨時の祭りの日は、終わった後が全然なんにもやることがなくって退屈なの。どうして帰ってからまた舞いの演技をしないんでしょ?? やったら、おもしろいのに! 禄をいただいて後ろから退出するのはつまんないわよ」なんて言うのを、帝がお聞きにな…

なほめでたきこと④ ~里なる時は~

里の実家にいた時は、一行がただ通って行くのを見るだけじゃ飽き足らず、賀茂の御社まで行って見ることもあったわ。大きな木々の下に車を停めると、松明(たいまつ)の煙がたなびいて、火の明かりで半臂の紐や衣のツヤも、昼間よりはいっそうすてきに見える…

なほめでたきこと③ ~大輪など舞ふは~

大輪なんかを舞うのは、一日中見てても飽きないでしょうに、それが終わっちゃうと、すごく残念なんですよね、またあるんだって思ったらあてにもできるんだけど。御琴をかき鳴らして、竹の植え込みの後ろから舞いながら出てくる様子なんかは、とてもすばらし…

なほめでたきこと② ~承香殿の前のほどに~

承香殿の前の辺りで、笛を吹いて、拍子を打って演奏するのを、早く出てきたらいいのになぁって待ってたら、「有度浜(うどはま)」を謡って、竹の植え込みのところに歩いてきて、御琴をかき鳴らした時は、ただもう感動で、どうしたらいいのかしら~?って思…

なほめでたきこと①

やっぱりすばらしいのは、臨時の祭の時のことじゃないかしらね。舞楽のリハもすごくいいのよ。 春は空の様子ものどかでうららかなんだけど、清涼殿の御前に掃部司が畳を敷いて、勅使は北向きに、舞人は御前の方に向いて、これらは間違って覚えてるかもしれな…

とり所なきもの

取り柄のないものっていうと。ルックスが憎らしい感じで、しかも性格が悪い人。姫糊を塗りたくったもの。これって、みんなすごく憎んでるものってことだし、今さら書くのをやめるべきじゃないわよね。それと、送り火の火箸が取り柄ない、なんていうのも、何…

つれづれなぐさむもの

退屈なのを紛らわせるものっていうと…。碁。双六。おしゃべり。三つか四つの幼児がかわいく何か言ってるの。それに、とっても小さな子どもが何かおしゃべりをして、間違ったことなんかをしちゃってる様子も。果物。男なんかで、冗談を言ったりして、よくしゃ…

つれづれなるもの

手持ち無沙汰で退屈なもの。自宅じゃなく他所に移ってやる物忌み。駒が進まない双六(すごろく)。除目で官職を得られなかった人の家。雨が降ってるのは、なおさらすごく所在なげなのよね。 ----------訳者の戯言--------- やることがなくて暇。とか、手持ち…

円融院の御はての年② ~それを二つながら持て~

それを二つとも持って、急いで参上して、「こういうことがございました」って、帝もいらっしゃる御前で語り申し上げなさったのね。定子さまは、とってもさりげなくご覧になって、「藤大納言が書いた字ではないようですね。法師のでしょう。昔の鬼の仕業だと…

円融院の御はての年①

円融院の喪(諒闇)が明けた年、女房もみんな喪服を脱いだりして、しんみりとした感じで、宮中をはじめとして院にお仕えしてた人も、「花の衣に」なんて言われた時代のこととかに思いを馳せて、しみじみしてたんだけど、雨がすごく降るある日のこと、藤三位…