枕草子を現代語訳したり考えたりしてみる

清少納言の枕草子を読んでいます。自分なりに現代語訳したり、解説したり、感想を書いています。専門家ではないので間違っていたらすみません。ご指摘・ご教授いただけると幸いです。私自身が読む、という前提ですので、初心者向けであって、何よりもわかりやすい、ということを意識しているのですがいかがでしょうか。最初から読みたい!という奇特な方は「(PC版)リンク」から移動してください。また、検索窓に各段の冒頭部分や文中のワードを入れて検索していただくと、任意の段をご覧いただけると思います(たぶん)。

2019-07-01から1ヶ月間の記事一覧

宮の五節いださせ給ふに② ~五節の局を~

「五節の舞姫の控室を、日が暮れないうちから全部取り壊しちゃって中まで見えるようにして、ただ、みっともない恰好を晒しちゃうのって、すごく異常だわ。その夜まではそのまま綺麗な状態にしておきたいものよね」って定子さまがおっしゃったから、それほど…

宮の五節いださせ給ふに①

定子さまが五節の舞姫を選んで舞を舞わせるからって、そのためのお世話役を12人、別のところ---女御や御息所(みやすんどころ)では仕えてる女房を拠出するのはよろしくないでしょ、って聞くけど、どうお考えなのか、定子さまに仕えてる女房を十人はお出しに…

なまめかしきもの

優美なもの、っていうと、、、スラッとしてて、ピュアで清楚な感じの貴公子の直衣姿。可愛らしい女の子が表袴(うえのはかま)なんかわざとはかずに、脇を大きめに開けたままの汗衫(上着)だけを着て、卯槌や薬玉の紐を長く垂らして、高欄(手すり)の下、…

めでたきもの

立派なものっていうと、中国製のカラフルな織物。装飾刀、象嵌細工の仏像。色合いが深くて、花房が長く咲いてる藤の花が松の木にかかってるの。 六位の蔵人もね。身分の高い貴公子たちでもなかなか着られない綾織物を、気ままに着てる青色姿なんか、すごく素…

職の御曹司におはします頃、西の廂にて⑬ ~二十日参りたるにも~

そして、二十日に定子さまのところに参上した時にも、まずこのことを申し上げたのね。「身は投げた」って言って、蓋(ふた)だけを持ってきたお坊さんのように、遣いの者が空容器をすぐさま持って帰ってきたのにはガッカリだったこと、もし雪が残ってたら、…

職の御曹司におはします頃、西の廂にて⑫ ~暗きに起きて~

暗いうちから起きて、折櫃(おりびつ)なんかを持たせて、「これに雪の白いところを入れて持って帰って来て。汚くなったところは掻き捨ててね」なんて言って、使いを遣ったら、すごく早く、持たせた容器を引っ提げて、「すでに、早々に無くなってございまし…

職の御曹司におはします頃、西の廂にて⑪ ~そのほども~

その時だって、あの雪山のことが気になるから、宮仕えの女官、洗濯や湯殿の清掃担当女子スタッフ、雑務担当女子スタッフなんかを使って、絶えず見張りに行かせてたの。七日の節句のお下がりまであげたから、木守(=庭師)が拝んで感謝してたことなんかも、…

職の御曹司におはします頃、西の廂にて⑩ ~さて、その雪の山は~

さて、その雪山は本物の越(こし=北陸)の山みたいに見えて、雪が消えそうな感じもしなくなってるの。黒く汚れてきて見る価値もない様子にはなったんだけど、ほんと、勝ったわねって気持ちになって、何とかして15日までは持たせたいって私、祈ったわ。でも…

職の御曹司におはします頃、西の廂にて⑨ ~さて雪の山つれなくて~

で、雪の山には別に何ごともなく、そのまんま年が明けたのです。でも一月一日の夜、雪がすごくいっぱい降ったから、「うれしいな、また積もったかなぁ」って見たら、定子さまが「これは気に入らないわね。最初に降った雪の部分はそのままにして、今回の分は…

職の御曹司におはします頃、西の廂にて⑧ ~つごもりがたに~

大晦日の頃には、雪山も少し小さくなった感じなんだけど、それでもまだ結構高くって、お昼頃、縁側に女房たちが出てきてた時、ちょうど常陸の介がやって来たの。「どうしたの? すっごく長いこと見かけなかったじゃない」って聞いたら、「別に何てことはない…

職の御曹司におはします頃、西の廂にて⑦ ~さて、その山作りたる日~

で、その雪山を作った日、お遣いとして式部省の丞の源忠隆が参上してきたから、座布団を差し出して話してたんだけど、「今日は雪の山を作らせてらっしゃらないところはありません。帝のいらっしゃる清涼殿の壺庭でも作らせておられましたし。皇太子の東宮に…

職の御曹司におはします頃、西の廂にて⑥ ~「これいつまでありなむ」と~

「この雪の山、いつまで残ってるでしょうね」って、定子さまが女房たちにおっしゃったところ、「十日はあるでしょう」「十日過ぎても残ってるでしょう」とかって、だいたいその辺の時期を全員が申し上げたのね。で、私にも「どう?」ってお尋ねになるもんだ…

職の御曹司におはします頃、西の廂にて⑤ ~さて、師走の十余日のほどに~

そして、十二月も十日余り過ぎたころ、雪がすごく降ったからって、女官なんかが、縁側にすごくたくさんの雪を集めて置いたのを「どうせだったら、庭にほんとの雪山を作らせましょう」って、侍を呼んで「(中宮さまからの)お達しですから」って言ったら、集…