2019-03-01から1ヶ月間の記事一覧
若い人や子どもなんかは、太ってるのがいいわ。受領とかの大人っぽい感じになった人も、ぽっちゃり系なのがいいわね。 ----------訳者の戯言--------- 受領というのは、「国司」の長官(守)だそうです。特に平安時代中期以降、任国に行かない遥任の国守に対…
若くてまずまず身分の高い男子が、身分の低い女子の名前をなれなれしく呼ぶのはよくないわね。知ってても、何さんだっけかなぁ、って、一部はうろ覚えな感じで言うのはいいんだけど。 宮仕えしてる女子の局(部屋)に立ち寄るとき、夜なんか、そんなんじゃよ…
殿上の「名対面」はやっぱりいかしてるわね。帝の御前に誰か人が侍っている時なら、すぐに名前を尋ねるのもいい感じ。たくさんの足音がして、大勢の殿上人が出てくんだけど、それを上の御局の東側で、耳に神経を集中させて聞いてたら、知ってる人の名前が呼…
牛飼いは、身体が大きくって、髪が乱れてて、顔が赤らんでるけど、賢い感じで仕事してるのが良いわ。 ----------訳者の戯言--------- 「清少納言の考える 理想の牛飼いはコレだ!」です。結構偏ってます。 【原文】 牛飼は 大きにて、髪あららかなるが、顔赤…
小舎人童は、小さくって髪がすごくキレイで、髪の毛ー本一本もさらさらで、少し華やいだ感じの子が、素敵な声で、かしこまってお話しするのが、とっても品があってかわいいのよね。 ----------訳者の戯言--------- 小舎人童は「節は五月にしく月はなし」「細…
雑色や随身は、少し痩せててスリムなほうがいいわね。 男は、やっぱり若いうちは、そんな風にスラッとしてるほうがいいのよ。すごく太ってる人は眠たそうに見えるもんね。 ----------訳者の戯言--------- 雑色(ぞうしき)というのは、貴族の家の雑用係だそ…
猫は、上だけが黒くてお腹がめっちゃ白いのがいい。 ----------訳者の戯言--------- 牛もそうなんですが、猫もめっちゃピンポイントついてきます。黒白猫で、所謂「ハチワレ」といわれてる猫ですね。→こんな感じでしょうか。けど猫はどれもかわいいですけど…
牛は、おでこがとっても狭くて白っぽくて、お腹の下、脚、尻尾の毛なんかが全部白いのがいいわね。 ----------訳者の戯言--------- そんな牛いる?と思います。まぁ、いるんでしょうけど、googleで「在来種 牛」で画像検索してもなかなか出てきません。だい…
馬は、真っ黒だけどほんの少しだけ白いところがあるのがいいわね。黒栗毛で模様が入ってる馬、葦毛の馬も。薄紅梅の毛色だけどたてがみと尻尾は真っ白なの。まさに「ゆうがみ(ゆふかみ/木綿髪)」とも言えそうね! 黒くって四本の脚が白いのもとっても素敵…
すると頭の弁(行成)が出ておいでになり、「まったく余すことなく、全部見ちゃいましたよ」っておっしゃったもんだから、「則隆と思ってたから、油断してましたわ。どうして『見ない』っておっしゃっておきながら、そんなにじっくり見ちゃうのかなあ」って…
中宮様に用事を申し上げるような時にだって、一番最初に取次ぎを頼んだ人(私)を尋ねて来るし、局に下がってる時でもわざわざ私を呼び出すし、局まで何か言いに来たりね、実家に帰ってる時は手紙を書いてきたり、わざわざ家までやってきたりもして「宮中に…
職の御曹司の西側にある衝立のところで、頭の弁(藤原行成)が、結構長いこと立ち話をなさってたから、さしでがましくも「そこにいるのはどなた?」って言ったら、「弁でございます」っておっしゃるの。「何をそんなにおしゃべりしてるんですか。大弁がお見…
をのこ(従者の男)と言ったら、やっぱり「随身」がベストでしょうね。とっても美しくて立派な貴族の方々だって、ボディガードの随身を従えてなかったら、かなりのガッカリもの。弁官なんかは、すごくいかした官職だと思ってはいるんだけど、下襲の裾は短い…
主殿司ほど、いかしてる職業ってあるかしら? いや、ないと思うわ。下級の女子スタッフの立場なんかからすると、こんなにうらやましい存在はないわね。身分の高い人にも、ぜひやってほしいお仕事。若くて、きれいな人が、着こなしも決まってたりすると、もっ…
細殿に人がいっぱいいて、おもしろくもないおしゃべりをしてたら、キレイな感じの男性や小舎人童なんかが、いかした包みや袋とかに服を包んで、指貫の裾の紐なんかが見えたりしながら、弓、矢、楯とかも持って歩くんだけど、「誰の物なの?」って聞いたら、…
似合わないもの。身分の低い者の家に雪が降った様子。そんな家に、月明かりが差し込んでいるのも残念。月が明るい夜に、屋形のない車に出会うこと。また、そんな粗末な車なのに「あめ牛」を繋いでるの。それから、結構年取ってる女が大きなお腹で歩くのもね…
七月頃、風が強く吹いて雨が土砂降りになった日、おおむねすごく涼しいから、扇であおぐのも忘れて。汗の臭いが少しだけする薄い綿入りの衣をかぶってお昼寝するのはすごくいい気分なの。 ----------訳者の戯言--------- 旧暦七月というと、おおよそ今の8月…
虫は、鈴虫、ひぐらし、蝶、松虫、コオロギ、キリギリス、われから、蜻蛉、蛍なんかが、いいわね。 ミノムシはとっても哀愁があるの。鬼が産んだから、親に似てこの子も恐ろしい心を持っているんじゃないかって、親がみすぼらしい衣を着せて「もうすぐ秋風が…
上品なもの。薄色の袙の上に白い汗衫を重ねて着た少女。鴈の卵。かき氷に甘葛のシロップをかけて、新しい金属製のお椀に入れたもの。水晶の数珠。藤の花。梅の花に雪が降りかかってる光景。とっても可愛い子どもが、イチゴなんかを食べてる様子。 ----------…
鳥は――――異国のものだけど、オウムにはすごく感動。人が言う言葉を真似するらしいの。ほととぎす、水鶏(くひな/クイナ)、鴫(しぎ)、都鳥、鶸(ひわ)、ひたきもいいよね。 ヤマドリは友だちを恋しがって、鏡を見せれば慰められるって、ピュアでとっても…
あすはひの木(あすなろ)は、このあたりの近くでは見聞きしないわね。吉野の御嶽神社に参詣して帰ってきた人なんかが持ってくるこの木の枝ぶりは、すごく手触りも悪くってごつごつしてるんだけど、どんな気持ちで「あすはひの木」って名付けたんだろう。ア…
花の木、じゃないのは、まず楓。桂。五葉。 そばの木(カナメモチ)は、一見品が無い気がするけど、花の木が散ってしまってどれもみんな緑になっちゃう中で、季節に関係なく、濃い紅葉がつやつやとして、思いがけず青葉の中から出てきてるのが新鮮なのね。 …